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「ミズハラ通訳は穏やかな人だと…」日本人が知らない大谷翔平「韓国での本当の評価」現地記者が語る「オオタニは救世主」「開幕戦で見たかったのは…」
text by
姜亨起Kang Hyeong Gi
photograph byNanae Suzuki
posted2024/03/23 17:01
試合前のセレモニーでグラウンドに駆け出していく大谷。ファンの目には火花の演出以上にキラキラして見えたはず
「そもそも大谷と言えば、彼と関連するすべての出来事が大衆の関心事になるじゃないですか。だからこそ奥さんもスポットライトを浴びましたし、衝撃的な結婚発表の後、初めて外部に公開したという点で、さらに注目が集まったと思います。夫の毎打席、毎スイングのたびに歓喜し、落胆する姿は今も印象に残っています」
そしてもう一人、大谷の良き相棒から一夜で渦中の人物となった元通訳・水原一平氏に触れないわけにはいかない。
「イッペイ・ショック」と呼ばれ日米球界に激震を与えた違法賭博騒動。韓国でも、最大手ポータルサイト『NAVER』で「オオタニ」と検索すると、トップに出るのは水原氏の報道ばかりとなった。
そこには「『大谷のクリムジャ(影)』が犯した衝撃スキャンダル」「『同苦同楽』通訳のペシン(裏切り)」「奈落に落ちた大谷の『口』」など、強烈な批判の見出しが並ぶ。ユン記者も水原氏の件を「ドジャースの開幕戦勝利に水を差す事件」と報じた。
「驚きました。常に大谷と行動をともにし、写真や動画も多く撮られてきた人物です。大谷本人としても、一番近くにいた信頼できる人間から不意打ちを食らったような気分でしょう。私自身、水原氏は大谷の『誠実な助力者』であり、穏やかな人という印象を持っていました。だからこそ、本当に衝撃的なニュースでしたね」(キム記者)
“完璧な大谷”を待つ韓国
MLBスターの来韓に熱狂し、ショッキングな事件で騒然としたソウルシリーズ。それでも、息つく間もなく幕が開くアメリカでの本格的な2024年シーズンで、キム記者が大谷に期待することは何だろうか。
「韓国でのMLB開幕戦は、長距離フライトや時差を考慮しても簡単ではない遠征だったと思います。ただ、そんな状態でも打撃勘やコンディションが上がっていると感じました。この先、本来の調子を取り戻した『完璧な大谷』が待っていると思うと、むしろ怖さを感じるぐらいです。今回のソウルシリーズが『予熱の章』となり、アメリカでホームランをたくさん打ってくれることを願っています。
また、今年中に投手として登板することは当然ないと思いますが、腕の状態が回復すれば外野手としてボールを投げる姿も見られるのではないでしょうか。個人的にも、一日も早く『二刀流・大谷』が復活する日を待っています」
早くも激動の最中にある大谷の2024年。韓国の野球記者やファンたちも、期待と不安の入り混じる目でドジャーブルーの17番を見つめている。