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大谷翔平は「売り切れ男」、ダルビッシュ有は「義理までワールドクラス」…韓国人記者が語るソウルシリーズ狂騒曲《相乗効果で韓国リーグも完売続出!》
posted2024/03/19 11:04
text by
姜亨起Kang Hyeong Gi
photograph by
JIJI PRESS
「普段は画面越しでしか見ることのなかったメジャーリーグの試合が、目の前で繰り広げられる。その事実だけでも大きな意味がありますよ」
韓国の大手スポーツ紙『スポーツソウル』で野球担当を務めるキム・ドンヨン記者の言葉からは、興奮が伝わってきた。史上初のMLB韓国開幕戦、それもドジャース対パドレスという好カードに、いち野球人として熱狂しないはずがないという口ぶりだ。
「韓国野球ファンが注目しているのは『帰ってきたキム・ハソン』でしょう。自国の選手だということは当然ですが、前所属キウムの本拠地・高尺スカイドームで再びプレーするのですから、ファンの感慨深さは計り知れません。それに、新加入のコ・ウソクも数カ月前までLGでプレーしていましたから、彼がパドレスのユニホームを着て韓国のマウンドに立つ姿を見たい人は多いはずです」
ただ、と続ける。
「彼らの母国凱旋以上の関心事となれば、やはり大谷翔平の来韓、ということになるでしょうね」
キム記者は大谷とドジャースの10年7億ドル契約が発表された際、その天文学的な金額を韓国語で「シンゲ」と表したことがある。直訳すると「神界」、いわゆる神の領域だ。そして、現在の韓国国内における人気ぶりを聞くと、「天をも貫く勢い」という表現が返ってきた。
「だってそうでしょう? 彼のように投打で圧倒的な活躍を見せた選手は、過去を振り返ってもいないわけですから。二刀流でメジャーを『征服』した選手、しかも同じアジア人だからこそ、韓国のファンも誇りを感じるのです」
韓国をも沸かせた大谷の結婚発表
キム記者の激賞に、同じく『スポーツソウル』野球担当のユン・セホ記者も続く。昨年の侍ジャパンWBC優勝時、「『野球』と書いて『オオタニ』と読む」と大谷へ最大級の賛辞を送った同記者は、「スポーツにおいて国籍は重要ではない」として大谷の存在感を次のように伝えた。
「スーパースターへの熱気は地域と国籍を超越するが、ドジャースの大谷翔平がまさしくそうだ。野球をする国であれば、大谷は国籍を問わない最高のスター選手。マイケル・ジョーダンがバスケットボールの世界化を導いたように、大谷も野球の世界化を導くことにこの上なく適した人物だ」