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大谷翔平の妻登場に「オオタニは嘘をついた」韓国人は日本人メジャーリーガーをどう見ている? オフで一番の話題は「ダルビッシュのカフェ訪問」
text by
崔碩栄Che Sukyoung
photograph byChe Sukyoung
posted2024/03/20 17:01
韓国でも大きく話題となっている大谷翔平とダルビッシュ有の2人。ソウルで取材して見えたフィーバーの実相とは?
大谷のサインさえもらえれば、何もいらない
練習試合が行われる17日の午後、高尺ドームを訪れてみた。そこには選手に会えるかもしれないと、駐車場入り口で選手たちを待っているファンの姿があった。入国日に空港まで行って長時間待ったが、ロバーツ監督のサインしかもらえなかったという20代の男性ドジャースファンは、ドジャース選手の写真を何枚も用意してサインをもらう準備をしていた。中でも大谷選手の写真だけが他の選手の写真より大きかったので、どの選手のサインを狙っているのかと尋ねると、「大谷選手のサインさえもらえれば(他は)何もいらない」と言いながら、写真と一緒にサインを貰うために持っている韓国で出版された大谷選手の「子供用学習漫画」を見せてくれた。
「大谷本」がベストセラーに
韓国内での大谷フィーバーは、野球場やニュースだけに限られた話ではない。現在、大手オンライン書店「アラジン」の野球部門のベストセラー20位以内に大谷関連書籍が5冊ランクインしており、子供人物(世界人物)部門では大谷の漫画伝記が10位にランクインしている(5位はサッカーのリオネル・メッシ)。書評をみても、「子供が大好き」「欠点のない人間」と10点満点中、ほとんどが9.5点以上の評価を得ている。映像だけではなく「活字」でもその影響力が高まっているのだ。
開幕戦に先立ち、パドレスとドジャースはそれぞれ韓国チームと2試合ずつ練習試合を行った。あくまで「親善試合」だったので、開幕戦に登板の可能性がある投手陣の多くは出場せず、怪我などを懸念して「調整」をするレベルの試合だったが、大谷選手は5打数無安打にとどまり、多くのファンが残念がる結果となった。
しかし、本番は20日、21日の公式試合。空席も見られた練習試合とは違って選手の気合も、ファンの関心も高まる。その2試合こそが最も重要な瞬間だ。そして韓国でのMLB開幕戦は2試合で終わるが、大谷選手が韓国に与える影響はその試合だけでなく、本や漫画を通じても韓国社会と韓国の子供たちにもっと長く続くに違いない。「欺瞞者」というジェラシーの言葉(?)とともに。