「チームを戦う集団にできる監督です。戦術的に機能しているとよく言われるけど、それは監督のアイデアに選手が全員乗っているからなんです。この人のいうことならやろうとなるのは基本的に、その人を人間的に好きじゃないと無理なんですよ。いくらいい曲書いてもその人が女性に暴力ふるっていたら聴きたくなくなるということがあると思うんです。曲に罪はないけど、それを歌っている人と結びつけて考えた時、そこに乗っかることができない。これは戦術と監督の関係に似ているんです。どんなに戦術が素晴らしくても、監督の人柄についていきたいというものがないと、プロとしてやるけど、それ以上、感情は乗せられない。選手が監督とアイデアを信じて走ってくれる、プレーしてくれる、選手とそういう関係になれるかどうかがいい監督のベースラインだと思いますね」

人の表情を見るようになりました

　レオザがいう監督のベースをしっかり守れている人は、国内では多くはない。レオザ自身、最近、監督として選手の見方がかなり変わってきた。

「学生時代から監督をやる前までは人に興味がなくて、自分が良ければっていう考え方の人間だったんですけど、ここ1、2年で意識して人の表情を注意深く見るようになりました。ミーティングで話をしている時もモチベーションの低い選手は顔を伏せたり、一応ここに来ていますみたいな様子の選手がいたりする。そういった選手と『戦う選手』の表情が明らかに違うんです。表情や行動を見ることでどうアプロ―チしたらいいのか見えてくる。今思えば、そういうのをちゃんと昔からしたら、もっといいネタ、いい曲を作れたんだろうなと思います」

写真は株式会社シュワーボ提供

Jリーグ昇格への障壁

　シュワーボ東京は、将来的にはJリーグ昇格を目指している。ただ、上を目指していくと、容易にはいかない現実に直面する。練習場所を含め、ホームスタジアムもなく、Jリーグの規約を満たす条件をクリアしていかないといけないからだ。

「毎年、うまく昇格していくと9年から10年でJリーグに届くんですけど、Jリーグの規約を基準にして考えるとスムーズにはいかないですね。23区内にスタジアムはないですし、練習拠点を確保するのも難しい。同じカテゴリーである程度のところまで行ったら他のクラブを買収して、別のところにホームタウンを作るのか、それとも東京にこだわり、地盤を整えてやっていくのか……。上にいくにつれ、一番難しいことに取り組んでいかないといけないんです」

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