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じつはラッパー兼クラブオーナー兼監督、サッカーYouTuberレオザフットボールに聞いたYouTube以外のこと「日本代表ソングを作りたい?」
posted2024/03/17 17:02
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
ŠVABO TOKYO
ネタ作りの空いた時間でラップ創作
レオザフットボールの一つ目の顔がYouTuberだとすると、二つ目の顔はミュージシャンになる。もともと音楽が好きだったが、ラップで曲を作り始めたのは、芸人時代だった。
「最初は、1人でネタを作っていたんですけど、新しくコンビを組んだ時、ネタを2人で作るようになったんです。ネタを作るために費やしてきたたくさんの時間がけっこう空くことになった。その時、ずっとやりたかったラップをやろうと思ったのと年取って動けなくなって『あの頃、ラップをやっておけば』と後悔したくなかったので、ラップをやり始めました」
その頃は、RHYMESTERやKREVAやAKLOをよく聴いていた。彼らのラップにはラブソングもあったが、基本的には聴いてくれた人への応援歌だったり、人を奮い立たせるような強さを感じた。彼らのラップにインスパイアされ、レオザは自分で曲を作るようになった。
「歌詞を書くのも曲を作るのも時間がかかります。どういうネタにしようかコンセプトを考えて、そこから絞り出す感じです。一番大変なのは、思いついたアイデアとラップを馴染ませるフロー(歌いまわし)やメロディーと歌詞のちょうどいいバランスを探すことです。聞き終わった後、メロディーが良かったというのは大事なんですけど、それだけにならないように、いろんな方向でその人の心に刺さるっていうのが理想です」
リーダー目線の葛藤が自分の個性
レオザの曲は、ラップではサッカーをモチーフにした作品が多い。
「ラップで売れている人にラップが下手な人はいないわけで、そうなるとあとはキャラや個性の勝負というか、人間勝負になるんです。どっかのワルでしたとか、普通の仕事をして家族がいて、それを歌にしてカッコイイとかあるけど、僕は何があるんだろって考えたんです。YouTuberをしているけど、サッカークラブの経営者と監督をやってリーダーの目線の葛藤が自分の個性になっているんじゃないかなと思ったんです。実際、そういうのを意識して作ったのが『99.9』です。あと、『最適解』は分析の目線で書いたんですけど、そういう曲の反応がいいんですよ。いろいろ迷いもあったんですが、ようやく売り出せるものを手に入れたという感じです」