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中村憲剛の視点…三笘薫、板倉滉ら“欧州で高評価フロンターレ組”共通の才能とは「僕自身、オシムさんの“大好きな言葉”もそうだった」

posted2024/03/24 11:01

 
中村憲剛の視点…三笘薫、板倉滉ら“欧州で高評価フロンターレ組”共通の才能とは「僕自身、オシムさんの“大好きな言葉”もそうだった」<Number Web> photograph by JFA/AFLO

東京五輪世代として活動していた頃の(左から)板倉滉、田中碧、旗手怜央、三笘薫

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中村憲剛

中村憲剛Kengo Nakamura

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 Jリーグ川崎フロンターレの英雄だった選手時代から、サッカーの技術だけでなく、考える力や言語化能力、コミュニケーションやリーダーシップといったさまざまな能力を発揮してきた中村憲剛。そんな彼が自身の経験、今では欧州各国で輝く仲間たちとの触れ合いなどを通して、人生のテーマについてとことん考えた『中村憲剛の「こころ」の話 今日より明日を生きやすくする処方箋』(小学館クリエイティブ)から未公開分を含めて一部転載します。<全3回の第1回/第2回第3回も配信中>
『中村憲剛の「こころ」の話』(小学館クリエイティブ)※書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします中村憲剛の「こころ」の話』(小学館クリエイティブ) ※書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

 川崎フロンターレでプロサッカー選手として過ごした18年間で、数え切れないほどの戦友たちと苦楽をともにした。

 特に30歳を過ぎてからは、チームを見る目線も変わり、培ってきた経験や知識を後輩たちに伝え、教えていくことも、自分の役割だと考えるようになった。それはクラブの伝統や歴史といった背景だけではなく、僕らにとっての日常であるサッカー、すなわちプレーについてもそうだった。

大島僚太へ“段階を踏みながら”のメッセージ

 なかでも同じMFでポジションが近かった大島僚太や守田英正、田中碧には、細かく、段階を踏みながら、プレーについて紐解いて伝えていったつもりだ。

 例えば大島僚太。

 高卒で加入してまだ経験が浅いころ、視野が狭くなりがちになっていたので、そのときには「ボールを持っていて、判断に迷ったときは、自分に(パスを)簡単につけていいから」と声をかけた。

 自分に余裕がない状況で、難しいパスコースを探す間にボールを奪われるよりも、まずは僕を見つけて確実にパスを通すほうが、プレーの成功率が高まるからだ。それが難なくできるようになったら、今度は「周りをよく見てプレーするように」と、視野を広げるアドバイスを送った。さらに視野を確保できるようになったら、今度は「判断を早くするように」と伝え、より速度を上げたプレーができるように促した。

守田、田中、谷口、板倉、三笘、旗手…共通点は?

 大島だけでなく、守田、田中もそれぞれに努力を重ね、日本代表に選ばれる選手へと成長した。大島は2018年ロシアワールドカップ、守田と田中は2022年カタールワールドカップを戦う日本代表メンバーに選出された。

 他にも谷口彰悟、板倉滉、三笘薫、旗手怜央と、川崎フロンターレのチームメートとして接してきた後輩たちが次から次へと日本代表に選ばれている。

 今や日本から羽ばたき、世界で活躍する選手へと成長した彼らに、共通していたものとは何だろうか。

【次ページ】 傾聴力に加えて彼らに共通した“もう1つの力”とは

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