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「田中碧は“自信を持て”とだけ。守田英正にはあえて…」「例えばお風呂で2人の時に」中村憲剛が“未来の日本代表”への助言を見極めたワケ

posted2024/03/24 11:02

 
「田中碧は“自信を持て”とだけ。守田英正にはあえて…」「例えばお風呂で2人の時に」中村憲剛が“未来の日本代表”への助言を見極めたワケ<Number Web> photograph by JFA/AFLO

23年9月、ドイツに4-1で大勝した際の田中碧と守田英正。中村憲剛が知るフロンターレ時代の2人と、彼らに助言を送ったタイミングとは

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中村憲剛

中村憲剛Kengo Nakamura

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 Jリーグ川崎フロンターレの英雄だった選手時代から、サッカーの技術だけでなく、考える力や言語化能力、コミュニケーションやリーダーシップといったさまざまな能力を発揮してきた中村憲剛。そんな彼が自身の経験、そして出会った仲間たちとの触れ合いなどを通して、人生のテーマについてとことん考えた『中村憲剛の「こころ」の話 今日より明日を生きやすくする処方箋』(小学館クリエイティブ)から未公開分を含めて一部転載します。<全3回の第2回/第1回第3回も配信中>
『中村憲剛の「こころ」の話』(小学館クリエイティブ)※書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします中村憲剛の「こころ」の話』(小学館クリエイティブ) ※書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

 同じMFである田中碧と守田英正は、それぞれ異なる状況や段階を乗り越えて、成長していったように映っている。

 田中は川崎フロンターレのアカデミー(下部組織)を経て2017年に、守田は流通経済大学を卒業して2018年に、川崎フロンターレのトップチームの一員になった。

 田中に関しては、今でもすぐに思い出せるのは、2017年のキャンプで天然芝に足を取られて、ツルツルと滑っていた姿だ。アカデミー時代までは人工芝でサッカーをする機会が多く、天然芝との違いに戸惑っていたのだろう。その姿を見て、「この子は大丈夫かな」と心配したものだった。

プロ1年目、苦しんでいた田中碧だが…

 プロ1年目は出場機会を得られず、苦しんでいた。

 高卒とあって、まだまだ身体も華奢で、天然芝に足を滑らせていたように、練習ではフィジカルが足りずにプロの強度に苦戦していた。

 ただし、川崎フロンターレのアカデミーで育ってきただけに、クラブがベースとする足元の技術には長けており、川崎フロンターレの中盤が醸す特有のリズムやテンポへの馴染みは早かったため、フィジカルや強度に慣れれば遠くない未来に頭角を現すのではないかと思っていた。

 そんな田中は2年目の2018年9月15日のJ1リーグ第26節、北海道コンサドーレ札幌戦に途中出場してリーグ戦デビューを飾ると、アディショナルタイムにプロ初ゴールを決めた。ゴールを決めて、ベンチの先輩たちのもとに、大喜びしながら飛び込んでもみくちゃにされる姿を見て、僕は彼の勝負強さに驚いていた。

 彼は2022年のカタールワールドカップのスペイン戦でも歴史的なゴールを記録したが、とにかくインパクトのあるゴールを決める選手だ。そういう星のもとに生まれているとしか思えない。

「自信を持ってプレーしろ」と。では守田には?

 日ごろの練習を見ていても、サッカーに対する姿勢を見ていても、ストイックかつ愚直であることはわかっていた。彼に必要だったのは、自分が行ってきた努力を、自分自身が信じられるかどうか。つまり、「自信」だと考えていた。

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