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“お坊さん”になった元Jリーガー28歳の挫折人生「なんでジュビロのユニフォームじゃないんだ」トップ昇格を逃し、プロでは大ケガの悲劇
text by
間淳Jun Aida
photograph byJun Aida
posted2024/02/25 06:00
現在は静岡県の林入寺で副住職となった五藤晴貴さん。カターレ富山時代の写真を手に
翌年は試合前のウォーミングアップ中に左ひざ半月板損傷。半年以上をリハビリに費やした。怪我をする度に思い通りのプレーができなくなっていった。
「肩を怪我すると体のバランスが崩れると言われました。実際、脱臼してからは走っている時に違和感がありました。ひざの怪我はプレーに直接的に影響が出ました。怪我しないのもセンス。怪我をしない選手のすごさを実感しました」
プロ5年目に復活の兆し、しかし…
怪我した左足は以前よりも力が入らなくなった。踏み込みが弱くなるため、右足で蹴るボールの威力が落ちた。また、接触によって怪我を再発する怖さから、武器としていた球際の強さを見せられなくなっていた。
それでも、プロ5年目の2018年はFCマルヤス岡崎でチームの主力として存在感を見せた。自身初めて、怪我で離脱せずに1年間ピッチに立った。リーグ戦で得点も記録し、周囲は復活の兆しを感じていた。しかし、五藤さんはオフに現役引退を発表した。
理由は2018年の夏、シーズン中の練習前の出来事だった。
<つづきは第2回>