F1ピットストップBACK NUMBER

《2024年F1始動》角田裕毅「去年よりポジティブです」著名エンジニア獲得など新体制のビザ・キャッシュアップRBに高まる期待 

text by

尾張正博

尾張正博Masahiro Owari

PROFILE

photograph byGetty Images / Red Bull Content Pool

posted2024/02/23 11:02

《2024年F1始動》角田裕毅「去年よりポジティブです」著名エンジニア獲得など新体制のビザ・キャッシュアップRBに高まる期待<Number Web> photograph by Getty Images / Red Bull Content Pool

ラスベガスで行われたローンチイベントで、新車VCARB 01をバックに微笑む角田。チームの新体制に期待感は高まるばかり

 そのレッドブルと技術的な協力体制を築き、角田裕毅が所属するイタリアチーム「旧アルファタウリ」も注目の的となっている。その理由のひとつが新たなチーム名称で、今年1月にビザとグローバルパートナーシップ契約を交わし、発表されたチーム名は「ビザ・キャッシュアップRB・F1(以下、VCARB)」だったからだ。当初は長い、省略できないと、関係者の間でも不評だった。

 だが、昨年まで限定的だったレッドブルとの技術提携を、今年はレギュレーションの範囲内で緊密に行うよう大きく方向転換。ライバルたちにとっては脅威となっている。新車VCARB 01はサスペンションを前後ともにプッシュロッド方式にするなど、大幅に「レッドブル化」してきた。シェイクダウンを行った角田は新車の印象を次のように語る。

「去年の同じ時期と比べると、2歩も3歩も進歩した感じ。全体的に扱いやすくなってポジティブです」

新体制で注目度大のビザ・キャッシュアップRB

 チーム名とマシンだけでなく、体制も大きく変更となった。チーム創設時から代表を務めてきたフランツ・トストが昨年限りでその座を降り、代わって今シーズンから新生VCARBの指揮を執るのは、フェラーリから移籍してきたローラン・メキースだ。

 今年1月に移籍してきたメキースは、さっそく技術部門の体制強化に着手。ティム・ゴス、ギヨーム・カッテラーニ、アラン・パルメインの3人のビッグネームの獲得に成功した。

 ゴスはマクラーレンのエンジニアとして28年にわたって働き、アイルトン・セナ、ミカ・ハッキネン、ルイス・ハミルトンとも仕事をした大物。カッテラーニはロータス、マクラーレンで経験を積んだ後、レッドブル・テクノロジーに所属していたベテラン。その経験により、レッドブル化を進める新チームで重要な役割を果たすと考えられる。パルメインもまた、ベネトン、ルノー、ロータス時代に、フェルナンド・アロンソやキミ・ライコネンといったチャンピオンたちとレースをした経験があるベテランだ。

 今年は王者レッドブルだけでなく、「もうひとつのレッドブル」たるVCARBからも目が離せなくなりそうだ。

関連記事

BACK 1 2
角田裕毅
ビザ・キャッシュアップRB
レッドブル
エイドリアン・ニューウェイ
マクラーレン

F1の前後の記事

ページトップ