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「ミトマが骨折していたかも…」三笘薫への“悪質タックル”騒動…英国でも厳罰求める声「10試合出場停止すべき」現地記者が取材した“その後”
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph byGetty Images
posted2024/02/21 17:16
2月18日のシェフィールド戦。2ゴールに関与し、5-0の勝利に貢献した三笘薫(26歳)。前半11分に“悪質タックル”を受けた
「(記者:突破力も戻ってきたのでは?)いや、まだですね。 前回のトッテナム戦の方が良かったと思います。今日は試合展開的に楽でしたし、あれぐらいはやらないといけない。もっともっと得点に絡まないと。今日も絡んではいますけど、数字に表れていないので。ただ、チームが勝つことが一番大事。その上で、見ている人は見てくれていると思います。そこで評価してもらえれば嬉しいです。負けられない戦いが続いてるので、ここからが大事だと思います」
「(記者:角度のない位置からシュートを打った)ゴールのイメージはあるんですけど、まだまだ改善しないといけない。あそこを決めきれたら、まだまだ(その先に)何かあると思いますし。練習では入ってたりするんですけどね。試合で入らないですね、はい」
「(記者:オウンゴールの後、ブライトンサポーターが陣取るスタンドに向かってガッツポーズしていた)そうですね。ゴールに絡んだ形ではあったので。自分の存在意義を見せないといけないです。みんな来てくれて嬉しかったです」
「シェフィールドに“日の丸”がはためいた」
実は三笘は、後半開始すぐのあたりから右の腰付近を気にする仕草を何度も見せていた。その影響で、後半31分に交代で退いた。本人によれば、腰の痛みは前半11分の悪質なタックルとは関係なく、試合前から痛めていた箇所が悪化したという。「元々ちょっと痛みがあったので、そこがちょっと出てきた感じです」と明かした。
試合後、三笘は腰のケアと左足の治療で、取材エリアに遅れて登場した。そして囲み取材を終えてクラブバスに乗り込もうとすると、周辺から大きな歓声と拍手が沸き起こった。
市内にはシェフィールド大学があり、外国人の留学生も多いという。街は英国中部のマンチェスターにもほど近いことから、この試合には多くの日本人、そしてアジア人が駆けつけていた。
彼らが手にしていたのは小型の日本国旗。なかには「台湾・三笘」と書かれた日の丸を掲げる台湾人らしきファンの方もいて、バス周辺はちょっとした三笘フィーバーになっていた。
卑劣なタックルに心を痛める一戦となったが、なにより三笘が無事であったこと、そしてブライトンのバス周辺で揺れるたくさんの日の丸を目の当たりにし、筆者は少しばかり心が安らいだ。