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藤井聡太21歳「課題が残った」20連覇は研究者のように…「勝つことに慣れるのが怖い」大山康晴19連覇と好対照な勝負観〈元A級棋士の視点〉 

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田丸昇

田丸昇Noboru Tamaru

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posted2024/02/23 06:00

藤井聡太21歳「課題が残った」20連覇は研究者のように…「勝つことに慣れるのが怖い」大山康晴19連覇と好対照な勝負観〈元A級棋士の視点〉<Number Web> photograph by JIJI PRESS

王将戦3連覇を果たし、笑顔を見せる藤井聡太八冠。この防衛劇でタイトル戦20連覇となった

 その期間中に敗退したのは、63年の王将戦(挑戦者は二上八段)、66年の棋聖戦(二上)の2回だけ。しかも翌期に挑戦者として二上を破り、どちらも復位した。

 大山のタイトル戦連続出場記録が止まったのは、67年11月の棋聖戦・準決勝。対戦相手は「将棋界の太陽」と呼ばれた20歳の中原誠五段。中原は大山の中飛車に対して果敢に攻め込み、大山が見落とした△6七金で寄せ切った。観戦記者の話によると、中原は初対局の名人に勝っても平静な様子だったという。一方の大山は後日、「予想したより強かったです」と語った。

 大山が残した言葉には、以下のようなものがある。

「勝つことが最善の健康法」
「技術だけでは勝てない」
「負けないコツがある」

 勝負に徹した棋士人生だったことがうかがえる。そして、自省を込めて「勝つことに慣れるのが怖い」とも語った。真の強者ならではの言葉だ。

果たして“藤井一強”を止めるのは誰なのか

 今日の将棋界では、藤井八冠のタイトル戦連覇はいつまで続くのか、その一角を破る棋士はだれなのか、ということが注目されている。棋士や関係者の大方は、最短でも2~3年は藤井の一強が続くと見ている。

 羽生九段が96年2月に七冠制覇を達成したときも、当分は羽生時代が続くと思われたが、同年7月に棋聖戦で3歳年下の三浦弘行五段(当時22)に敗れて一角が崩れた。

 24年のタイトル戦で、藤井に対して「三浦」のような棋士が果たして現われるのか……。私はひそかに注目している。

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