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ヤクルト→DeNAに電撃移籍も「トレードはあるかもと思っていた」西浦直亨32歳が明かす“新天地での変化”「とにかく結果を出して恩返しをしたい」 

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石塚隆

石塚隆Takashi Ishizuka

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photograph bySankei Shimbun

posted2024/02/12 11:02

ヤクルト→DeNAに電撃移籍も「トレードはあるかもと思っていた」西浦直亨32歳が明かす“新天地での変化”「とにかく結果を出して恩返しをしたい」<Number Web> photograph by Sankei Shimbun

昨季途中の7月、DeNAに加入するも13試合の出場にとどまった西浦。新天地で迎える2年目を前にインタビューに応じた

「試合を終えて宿舎に帰ったタイミングで、関係者から『明日、球団事務所に来て欲しい』と言われ、そのまま東京に戻ったんです。翌日、球団事務所に行くとベイスターズへのトレードを告げられました」

 時期も時期であり、覚悟をしてその言葉を聞き入れた。

ベイスターズと聞いて…

「昨年だけじゃなく、その前の年から(トレードは)あるかもしれないと思っていたんです。たしかに少し驚いた部分はあったんですけど、ベイスターズと聞いて、知っている選手も多いですし、全然知らないところに行くよりもホッとしたのが正直なところでした」

 同じセ・リーグでしのぎを削ってきた近隣都市の球団。DeNAには法政大学の1学年先輩である三嶋一輝や1学年後輩の石田健大らがいた。

 ただ、やはり10年間プレーした愛着あるヤクルトから離れるのは寂しいものだった。

「本当、関係者の方々にはお世話になりましたし、ファンの方々からはいつも応援してもらい感謝しています。けど、寂しい思いがある一方で、すぐに次のことを考えている自分もいたんです。新しい場所で、新しい挑戦がしたいって」

焦りがあった

 2013年のドラフト会議で2位指名されヤクルトに入団した西浦は、ショートを中心とした堅実な守備と、ここぞという場面でのパンチ力のある打撃で、入団5年目の2018年にレギュラーを獲得。以降、激しい競争により浮き沈みはあったが、2021年のリーグ優勝と日本一に貢献している。

 しかし、一昨年の2022年は出場機会を失い、わずか6試合の出場でシーズンを終えると、昨年もトレードをされるまで一軍で力を発揮することはできなかった。この時期、西浦になにが起こっていたのだろうか。

「結果を出さなければいけないという思いばかりで、焦りがあったと思います。相手ではなく自分自身と戦ってしまって、どっしりとプレーできている感じではなかったですね……」

陥ったジレンマ

 キャリアを重ねようとも立ちはだかる壁。危機感と焦燥感が、体の自由を奪っていく。西浦は、もがいていた。

【次ページ】 移籍と言っても多摩川を越えるぐらいだよ

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