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「モリヤスの戦術的完敗。でも解任論には…」日本通ブラジル人記者の“アジア杯ホンネ評価”「成長したのはウエダとマイクマ、ザイオンだ」 

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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photograph byMutsu Kawamori

posted2024/02/08 17:01

「モリヤスの戦術的完敗。でも解任論には…」日本通ブラジル人記者の“アジア杯ホンネ評価”「成長したのはウエダとマイクマ、ザイオンだ」<Number Web> photograph by Mutsu Kawamori

イラン戦後の森保一監督。アジアカップでの敗戦を日本通ブラジル人記者はどう見たか

「最大の収穫は、上田綺世が溌溂とプレーし、チーム最多の4得点を挙げたこと。これまで森保一監督は色々なCFを試してきたが、ようやく軸になる選手が出てきた」

――彼は、GS最後のインドネシア戦で2点を取った後、さらに相手のオウンゴールを誘発したし、バーレーン戦では自らオウンゴールを記録した。

「自分がやったオウンゴールまで入れると、5試合で6ゴールに直接からんでいる! これぞストライカーだ(笑)」

マイクマ、そしてザイオンも成長している

――大会が始まった時点では右SBの控えだった毎熊晟矢もインドネシア戦以降、3試合連続でフル出場しました。

「右SBのレギュラーは菅原由勢だったけど、当面、毎熊がポジションを奪った格好だね。彼は、堂安律とのコンビネーションがとても良かった。でも、菅原も非常に良い選手だから、今後は2人がポジションを争うと思う。チームにとっては非常にいいことだ」

――序盤戦でミスが多く、物議を醸したGK鈴木彩艶については?

「上田、毎熊と並んで、大会を通じて最も成長した選手だと思う。今後、さらにクラブで成長して、代表での序列を上げてほしい」

――あなたが考える日本代表のGKの序列は?

「私の評価は、ポルトガルリーグ(注:ポルティモネンセ)で頑張っている中村航輔が一番。ただ、代表へ来てプレーする度に故障してしまう。運がないね。彼に続くのがシュミット・ダニエル(ヘント=ベルギー)、そして大迫敬介(サンフレッチェ広島)。彩艶は4番手だけど、今後、この大会で得た経験を糧として大きく成長してもらいたい。身体能力がすごいし技術レベルも高いから、後は経験を積み、判断力を磨くことだね」

期待外れの2人と“未招集組”については?

――逆に、期待外れだった選手は?

「板倉滉と伊藤洋輝。板倉はとても才能があり、日本代表には絶対に必要な選手。きっと立ち直ってくれると思う。伊藤もクラブでは頑張っている。代表でも、周囲の選手との連係が良くなればもっともっとやれる選手だと思う」

――森保監督がMF鎌田大地(ラツィオ)、田中碧(デュッセルドルフ)、古橋亨梧(セルティック)の招集を見送ったことについてはどう思いますか?

「今季、鎌田はクラブであまり調子が良くない。現時点で招集しなかったのは正しい判断だったと思う。田中は、冬の移籍期間にクラブを移る可能性があったため本人が招集を辞退したものと理解している。

 古橋に関しては、監督は招集したかったと思う。しかし、セルティックは日本代表に前田(大然)と旗手(怜央)を、さらに韓国代表に2人(CFオ・ヒョンギュと右ウイングのヤン・ヒョンジュン)、オーストラリア代表にも1人(右ウイングのマルコ・ティリオ)を供出している。しかも、彼ら全員がアタッカーだ。このため、日本代表サイドがセルティックと話し合い、前田と旗手を招集する代わりに古橋を諦めたんじゃないかな。細谷真大は若くて才能がある選手だけど、現時点では古橋の方が上だと思う」

――伊東純也の離脱も痛かった。

【次ページ】 森保監督に対する“解任論”はどう思う?

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