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熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
「モリヤスの戦術的完敗。でも解任論には…」日本通ブラジル人記者の“アジア杯ホンネ評価”「成長したのはウエダとマイクマ、ザイオンだ」
posted2024/02/08 17:01
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph by
Mutsu Kawamori
アジアカップは、まだ決勝が残っている。しかし、日本代表の戦いは準々決勝で終わりを告げた。第1回に引き続き、ブラジルメディアきっての日本通で、日本のフットボール全般に関する情報を広く発信してくれているチアゴ・ボンテンポ記者に話を聞いた。
選手が優勝候補という重圧を感じたのかもしれない
――今大会のサムライブルーの試合内容を総括してください。
「失望、という言葉を使わざるをえない。開幕前、そして大会が始まってグループステージ(GS)最初のベトナム戦で苦しみ、さらにイラクに敗れてからも、日本は一貫して優勝候補の筆頭と見なされていた。2022年ワールドカップ(W杯)のGSで優勝経験国であるドイツとスペインを倒して首位で突破したことが記憶に新しいし、W杯後も好調を持続して連勝を続けていたからね」
――この大会で日本は最多の4度、優勝しています。このことも、日本を優勝候補に押し上げる一因となったのでしょうか?
「そうだね。ただし、実際のところ、過去の大会で日本が楽な戦いをしたことはほとんどない。優勝した大会を含め、紙一重の試合を何とか凌いで勝ってきた。日本が絶対的な優勝候補に挙げられたのは、今大会が初めてじゃないかな。それだけに、私はこのような状況で日本選手がどんなプレーをするかに注目していた」
――結果として、期待を大きく裏切ってしまった。
「選手たちが優勝候補というプレッシャーを感じたのかもしれないし、一部の選手のコンディション不良、さらにはピッチ外のトラブル(注:伊東純也の件)もあった。
日本は、世界の強豪国と戦って、弱者の立場で良い勝負をするところまでは力をつけた。これだけでも、大変なことだ。しかし、自分たちが逆の立場に置かれた場合には勝手が違ったのだろう。2022年W杯だって、ドイツとスペインは倒したのにコスタリカには敗れたのだからね」
最大の収穫はウエダだ。“6点”に絡んだ(笑)。
――残念な結果に終わったこの大会で、日本が手にした収穫を探すとすれば?