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「日韓戦で三笘薫と対戦したい」25歳韓国代表DFの願い叶わず…韓国が報じた“日本沈没”、森保Jには“ソン・フンミン”がいなかった? 

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キム・ミョンウ

キム・ミョンウKim Myung Wook

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2024/02/05 11:01

「日韓戦で三笘薫と対戦したい」25歳韓国代表DFの願い叶わず…韓国が報じた“日本沈没”、森保Jには“ソン・フンミン”がいなかった?<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

準々決勝のベスト11に選出された韓国代表ソル・ヨンウ(右)。日韓戦の実現と三笘薫とのマッチアップを願っていたが…

 大一番のオーストラリア戦では、このまま敗退と思われた後半アディショナルタイムにペナルティーエリア手前でパスを受けると、驚異のキープ力で敵を振り切って前進。たまらず足を出した相手DFの動きを見計らっていたかのように右足を差し出し、PKを獲得。アジアの舞台で格の違いを見せつけるスーパープレーだった。

 さらに驚かされたのは、その後だ。ファン・ヒチャン(ウルブス)が「PKを蹴らせてほしい」とキャプテンに懇願。自ら得た絶好の機会だったが、ソン・フンミンは同じプレミアリーグで活躍する後輩に託した。

 そして、圧巻のシーンは延長前半14分。ペナルティーエリア手前でFKを得ると、「今度は自分が」とばかりに、右足で直接ゴールネットを揺らし、劇的な逆転勝利を演出した。

絶対的なリーダーの存在

 試合後のコメントがまた頼もしい。立て続けの激戦がきつくないかと韓国メディアに聞かれると、「国のためにプレーするのにきついと言うのは言い訳だ。優勝という一つの目標に向かって進んでいく」と回答。プレーの余韻に浸ることなく、すぐに次を見据えていた。

 そんなソン・フンミンの言動はチームメイトや国民に伝播した。キャプテンが「優勝」を狙える最後の大会になるかもしれない――その背景も相まって、64年ぶりのアジアカップ制覇への機運が一層、高まる結果となった。

 日韓に明暗がついた原因として、そのモチベーションの差を指摘する韓国メディアもあった。

『スポーツ京郷』は、今年1月に久保建英が「レアル・ソシエダは僕に給料を払ってくれているから、アジアカップがラ・リーガの期間中に開催されるのは残念」と残したコメントしたことに対して、「日本は大会前から揺れていた。久保建英の発言から、まず代表チームのバランスがどのようになっているのかが分かった」と掲載。合わせて、冨安健洋(アーセナル)もシーズン最中での開催に不満を漏らしていたと報じている。

 限定的な言葉のため真意は定かではないが、国を背負うことの名誉や栄誉において受け止め方が違うと考察していた。

 メディアの批判からチームメイトを守り、ピッチで結果を残す。代表選手としてのプライド、国を背負ってプレーすることがどういう意味なのか、それを自らの背中と言動で見せてチームを引っ張っていく。ピッチ外のトラブルに揺さぶられたまま姿を消した日本とは異なり、絶対的なキャプテンの存在感によって勝ち上がる韓国の姿はとても対照的だった。

【次ページ】 4強でヨルダンと再戦「負けたらまた批判」

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