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6球団競合のFA移籍→戦力外通告「野球人生を懸けてロッテに移籍した」福田秀平が“負けた”と語った苦悩の4年間、歯車が狂ったあの骨折
text by
田中大貴Daiki Tanaka
photograph byIchisei Hiramatsu
posted2024/01/29 11:02
FA移籍からの4年間を振り返った福田秀平(34歳)。ロッテでは思うような結果を残せなかった
――狂った歯車を戻せない4年間だった、と。
福田 肩の可動域が狭まったことで追い求めるバッティングができなくなりました。「じゃあ、スタイルを変えなきゃ……」と考え方も後手後手で。ただ、プロの世界は数字がすべてです。きっと一流の選手ならケガをしていてもある程度の数字を残すことができる。でも、僕はそこに対してフィットできなかった。数字を残せなかったことは、僕の実力だと思います。
それこそ、ホークスの先輩から「ケガして無理やりプレーしても、観る人たちからしたらその数字が実力だと思われるよ」と言われたことがありました。今、考えるとしっかり治療する選択もあったと思いますが、2020年は野球人生を懸けてロッテに移籍したシーズン。そんなことも言っていられなかったのが本音です。だから、この4年間は「勝負に負けた」と思っています。
「FA制度は選手にとってプラス」
――2019年オフのインタビューでは「FAはプロ野球選手として一人前になった証」とコメントしていました。改めてFA制度にはどんな思いがありますか?
福田 今考えると、(移籍先で)結果を出してから初めて一人前と言えるのかなと思いますね。特にホークスでレギュラーを取ったことのない状態でFAを行使したので。
ただ、制度自体はすごくいいものだと思いますね。やっぱり挑戦できる権利があるのは選手にとってプラスでしかない。A~Cのランク付け(福田はCランクに該当)や人的補償の問題などはありますが、それは今後、選手会とNPBで話し合っていいものにしていかないといけませんが、個人としてはこの機会で権利を使えたことに感謝しています。結果を出せなったことがただただ悔しいです。
――とはいえ、昨季はファームで結果が出ていました。オフに戦力外通告を受けた時はどんな心境でしたか?
福田「そりゃ、そうだよな」が一番ですね。正直、ショックはなかったです。成績を考えても仕方ない。だって、戦力になってなかったですから。そこはスッと受け入れました。