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16歳で高校中退→メジャー挑戦「親として同じことが言えるかな」なぜマック鈴木48歳はトライアウトLの顔として活動するか〈オリックス秘話も〉
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byKou Hiroo
posted2024/01/17 11:01
ジャパンウィンターリーグでのマック鈴木氏
「そうなんですよね。中島監督は、自分が見たい選手を目の前で練習させている。そして二軍の小林宏監督は、僕とはプライベートでも仲が良いんですが、小林さんと中嶋さんの師弟関係がすごくいい関係なんですね。
一軍と二軍で情報交換はしっかりしていますし、小林二軍監督自身は投手出身ですけど、野手の状態もしっかり把握できる指導者なんですね。そのあたりが強さの秘訣じゃないですかね」
――オリックスは昨年、山下舜平大や東晃平など一線級の投手が次々と出てきました。
「東投手、すごいですよね。僕は神戸弘陵高校時代に時々教えに行って、そのころから知っていました。育成枠で、ほぼほぼ『兵庫枠』みたいな感じで取ってくださったんですが、その当時から評価は高かったんですよ。しっかり体ができてきたら、面白い投手になるよねって、皆さんおっしゃっていて、やっぱりその通りになってきました。
もちろんその一方で、ユニフォームを脱いでいく選手もいるんだけど、原石を磨くというか、何かその選手の将来を見抜く力があるというか、スカウトの方も含めて球団全体がすごくレベルアップしている印象がありますね。
だから22年に吉田正尚選手が、今年(2023年)は山本由伸投手や山﨑福也投手が抜けても、その穴がすぐに埋まりそうな印象ですね。今回、日本ハムから吉田輝星投手がトレードで来ましたが、彼がオリックスで活躍したら、すごいことになりますよね」
「お前のサイズなら吉井さんか」と言われて…
――オリックス時代のことで、マック鈴木さんは話したいエピソードがあるとか。
「2003年、僕はダイエー戦に6回先発しているんですけど、そのうち1試合(6月4日福岡ドーム)では大炎上している(1.2回自責点5で敗戦投手)んですが、もう1試合(7月9日福岡ドーム)では8回自責点1で勝ち投手になってるんです。でもダイエー戦と言えば、炎上した話ばかりで、いい投球したことはみんな言わないです(笑)。