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立浪和義への批判は“本当に妥当”か? 中日ファン待望の監督就任、助っ人の亡命、悩む得点力…森繁和の見解「記者の口車に乗せられてはダメ」
text by
柳川悠二Yuji Yanagawa
photograph byJIJI PRESS
posted2024/01/11 11:00
勝負の3年目を迎える中日・立浪和義監督
前年に45ホールドポイントを記録し、最優秀中継ぎ投手となったジャリエル・ロドリゲスがWBCにキューバ代表として出場したのち、米国へ亡命。120万ドル(約1億7000万円)で契約した助っ人アリスティデス・アキーノはわずか20試合の出場にとどまった(オフに退団)。現役ドラフトで横浜から獲得した細川成也が活躍を見せた一方で、エース左腕の大野雄大は開幕直後の4月に左ヒジにメスを入れ、離脱した。
2年目の夏場に…二大事件
そして、夏場に入って敵地で13連敗していた頃、選手やファンを騒がせた二大事件が勃発する。まずは令和の米騒動だ。
開幕から好調を維持していた細川が調子を落とすと、試合前に白米を食べ過ぎていることで動きが鈍くなったとし、食堂の炊飯器を撤去していたことが一部の報道で明らかになった。選手のパフォーマンスに直結しかねない食事制限の押しつけにはチーム内から不満も噴出した。
さらに、育成出身の左腕・近藤廉の起用法にも賛否が飛び交った。8月25日の横浜DeNA戦の9回に、2年ぶりの一軍マウンドにあがると、近藤は8本の安打を浴び、5つの四死球を与え、10失点。めった打ちに遭い、1イニングに62球を投じた近藤に対し立浪は3つ目のアウトを奪うまで降板を命じなかった。
「勝ちパターンの投手しか残っていなかったので、酷なことをした」
試合後、立浪はそう釈明した。大量リードされたゲームの最終回に余計な投手を起用したくない事情は理解できよう。ただ、一軍経験の少ない24歳をさらし者にするような続投にも見えた。近藤はその翌日二軍に降格し、オフには再び育成契約となった。
得点力不足は2年目も解消されず、リーグ最少の390得点に終わる。ちなみに、5位の広島は493得点だ。投手陣は優勝した阪神に次ぐ2位の防御率(3.08)でありながら、柳裕也、涌井秀章、小笠原慎之介、髙橋宏斗の4人はいずれも10敗以上を喫した。
2023年ドラフト、度会を抽選で外して…
大学生の投手が豊作とされた2023年のドラフトでは社会人野手の度会隆輝(ENEOS)の指名に踏み切った。それも得点力不足解消が目的だろう。だが、抽選に外れると、今度は153キロ右腕・草加勝(亜細亜大)を指名した。