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立浪和義への批判は“本当に妥当”か? 中日ファン待望の監督就任、助っ人の亡命、悩む得点力…森繁和の見解「記者の口車に乗せられてはダメ」
text by
柳川悠二Yuji Yanagawa
photograph byJIJI PRESS
posted2024/01/11 11:00
勝負の3年目を迎える中日・立浪和義監督
1年目「身だしなみ改革」「根尾の転向」
2009年の現役引退後、12年間にわたって現場を離れていた立浪は、監督就任会見でさっそく独自色を打ち出した。茶髪や長髪、ヒゲを禁止して、身だしなみから改革することを表明したのだ。そして、二軍監督には片岡を据え、大阪・渋谷高校出身の中村紀洋(元近鉄ほか)を打撃コーチに、上宮高校出身の西山秀二(元広島ほか)をバッテリーコーチに配置し、大阪色の濃い組閣で開幕を迎えることになった。
だが、2022年シーズンは巨人との開幕カードに負け越し、つづく本拠地・バンテリンドームで3連敗を喫する苦難の船出に。以降も得点力不足に苦しみ、1シーズンで26度の完封負けは球団史上最多だった。
1年目の混乱を象徴するのは、遊撃手として入団した根尾昂の処遇だろう。開幕前に外野手登録となった根尾に対し、開幕間もない4月下旬には再びショートにコンバート。5月には9点をリードされた一軍の試合で、根尾を8回のマウンドに送り出し、打席にも立たせた。そして、6月に根尾と話し合った上で投手に専念させることが決まった。二転三転する根尾の起用法は指揮官の迷いにも見える。さらに、一軍打撃コーチである中村を開幕からわずか2カ月で二軍打撃コーチに入れ替えた。
2016年以来の最下位に沈んだ1年目のオフ、立浪は血の入れ替えを断行した。落合監督時代から主力を担ってきた平田良介に戦力外を通告し、京田陽太(現横浜DeNA)や阿部寿樹(現楽天)という主力の内野手をトレードで放出。ドラフトでは無名に近い投手・仲地礼亜(沖縄大)を単独指名し、村松開人(明治大)、田中幹也(亜細亜大)というセカンドが本職の大学生2人を獲得した。
2シーズン目を前に「中継ぎが亡命」の誤算
2年目のシーズンも開幕前から躓いた。