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大谷翔平に山本由伸を奪われた?「ヤンキースは自信を持っていた」“3億ドル”でもドジャースに敵わなかった争奪戦…佐々木朗希らへの影響も
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph byGetty Images
posted2023/12/26 06:05
世界一を決め、大谷翔平とハグして喜びを分かち合う山本由伸。来季は再び同じユニフォームに袖を通すことになった
関係者の話を総合すると、山本サイドとドジャース側はまだ身体検査も終えていなかった21日時点で契約合意を漏らしたくはなかった様子。それでもそんなタイミングでヤンキース側が“敗戦”を明かしてしまった事実から、球団数では大谷以上となった熾烈な競争に敗れた名門球団の悔恨が透けて見えてくるようでもあった。
実はヤンキースより熱心だったドジャース
“Iconic Franchise(伝統球団)でプレーしたい”。そんな山本の希望もあって、今回の“Yamamoto Sweepstakes(山本争奪戦)”ではロサンゼルス(ドジャース)、ニューヨーク(ヤンキース、メッツ)という東西2大都市のチームが当初から有力視されていた。さらにジャイアンツ、フィリーズ、レッドソックスといった大都市チーム、名門チームが軒並み参戦し、勧誘合戦は熾烈を極める。
昨季中、ブライアン・キャッシュマンGMなどを日本に派遣したヤンキースの献身が話題になったが、それよりも以前から最も熱心にスカウティングを進めていたのはドジャースだった。
温暖な気候のアメリカ西海岸の方がやはり日本人選手の環境としては優位。山本には海の近くに住んでみたいという希望もあったため、実際にはその心は早い段階からドジャースの元にあった節がある。ある関係者は12月中旬、「もう95%はドジャースなのではないか」と見通しを述べていた。
それでもそれぞれ先発補強が必須であり、25歳のエース候補がなんとしても欲しかったヤンキースとメッツは12月上旬以降、山本の渡米前後にスパートをかける。