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悔しそうにユニフォームを噛む久保建英の足にテーピングが…“過密日程のち不運ドロー”の翌日「仏紙のCLソシエダ注目選手」になっていた
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2023/12/20 17:31
今は亡きラ・レアルのサポーター肖像画フラッグを背にした久保建英。CL、リーガと過密日程が続く中で奮闘を続ける
開始早々、久保のアウトサイドキックで狙ったスルーパスにシルバが飛び出すなど、上々のコンビネーションを見せた。
また負傷離脱のブライス・メンデスに代わり、アルセン・ザハリャンが左インテリオールで起用された。それによって通常は左サイド寄りでプレーするミケル・メリノが久保サイドに配置され、久保、トラオレにメリノが加わるなど新しい関係性が見られた。
ゴール→オフサイド判定に久保はユニを噛んで…
特に前半、GKから組み立てを始める際には――イゴール・スベルディアがサイドに開きボールを受ける。すると、SBのトラオレがボランチの位置を取って、メリノを1列前に押し出すような陣形を取っていた。
その中でサイドいっぱいに開く久保が、メリノよりやや低めの位置を取る。そのポジショニングで、相手守備陣はマークの受け渡しに戸惑っている様子だった。
また高い位置を取ったメリノが相手CBを食いつかせることで、久保の縦への突破時にカバーに入るCBの動きを遅らせる効果もあったようだ。前半中盤には、サイドライン上でシルバのパスを受けた久保が一気に加速してサイドをえぐると、ボックス内まで侵入する場面を作った。ただしラストパスは追い縋る相手に押し倒される形になり、得点に結びつけることはできなかった。
続けて25分、久保とのワンツーで抜け出したトラオレのクロスにシルバが合わせ、ソシエダ加入後リーガで初となるゴールかと思われたが、オフサイドによってゴールは取り消された。
さらに41分、シルバの落としを拾った久保が中央へドリブルして、オヤルサバルへスルーパス。GKと1対1になったオヤルサバルが、冷静に走り込んだシルバへとパスを出してこの日2度目のネットを揺らすも、オヤルサバルが僅かにオフサイドを取られた。その判定に久保はユニフォームを噛んで悔しそうな姿も見せた。
疲労からか決定機を逃し、不運も重なった
得点こそ奪えないものの、良い形を作っているかに見えたソシエダだったが、58、59分と後半早い時間帯でシルバ、ザハリャンに代わってサディク、トゥリエンテスを投入している。その結果、前半ほどの流動的な攻撃を行うことはできなかった。
またフォーメーションも4-3-3から4-2-3-1へ変更される中で、久保は自陣まで戻り守備タスクを行いながらフル出場を果たした。前半より限られたプレー関与ではあったが、メリノのパスを受けると、プル&プッシュで相手の股を抜き、局面を打開する技も見せた。