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オリンピックPRESSBACK NUMBER
「競技に集中していない」批判も…高梨沙羅27歳が明かす“超シンプルな毎日”、トップアスリート24時間の時間割「お酒も飲んだりしますよ」
text by
雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph byKiichi Matsumoto
posted2023/12/19 11:04
今年10月に27歳になったスキージャンプ高梨沙羅。今回のインタビューではNumberのカメラマンが特別フォトを撮影した
「私、逆なんですよね。ずっと体を動かし続けているとむくむ方なんです。疲労のピークに達するとむくむんですけど、お酒を飲むとそれがスッと抜けることもあるんです」
――日頃から節制しているから体がそういう反応をするのかもしれない。
「なんか変ですよね(笑)。自分でも変だと思うけど、トレーニングとかですごく追い込んでる時ってあまり体重が減らないんです」
27歳でも「沙羅ちゃん」と呼ばれて…
高梨が大倉山で女子バッケンレコードとなる141m(当時)を記録して大きな注目を浴びたのが中学2年生のとき。ソチで初めての五輪出場を果たした時でもまだ17歳だった。
それから10年が経って、彼女は10月で27歳になった。インタビュー中は「高梨さん」と呼ぶように気をつけているものの、ついつい「沙羅ちゃん」と呼んでしまうことがある。
例えば藤井聡太が藤井くんで、浅田真央が真央ちゃんであるように、10代の早いうちから世に出てきた人物は、当初の呼び方やイメージがなかなか抜け切れない(当人がというより周りが)。お酒の話をするのに違和感があるのはそのせいなのだろう。あの幼かった沙羅ちゃんが……というような。
「確かにお酒を飲んでいると言うと、いまだにびっくりされますからね(笑)。ただ、皆さんから今も『沙羅ちゃん』と呼んでもらえるのはすごく嬉しいんですよ。高梨選手とかって割と距離があるなと感じるけど、沙羅ちゃんと呼んでもらえたら距離が近い感じがするじゃないですか」
世間のイメージ…「ギャップしかないです」
博報堂DYメディアパートナーズが毎年発表している「アスリートイメージ評価調査」で、高梨は2022年「可愛いアスリート」で2位、「清潔なアスリート」で4位になっている。ちなみに今から10年前、ソチ五輪前年の2013年の調査では「好感がもてるアスリート」で1位、「純粋なアスリート」でも1位、「勢いを感じるアスリート」で3位になっていた。
なぜそうなのかという理由までは記されていないが、このアンケートだけでも分かるように、世間は勝手にさまざまなイメージを抱き、それはすぐに移ろう。
世間が彼女に抱くイメージと自分自身の実像のギャップについて尋ねると、
「ギャップしかないです」
と高梨は笑いながら答えた。