「ちょっと前がかりになってカウンターを受けるケースは昨シーズンより多いと思います。そこは自分たち（＝攻撃の選手）の責任もありますし、後ろ（＝守備の選手）の責任もあります。チーム全体でやっていかないといけない」

「移籍した2人の“穴”が大きい」

　また、攻撃面においてもパワー不足が目立つ。昨シーズンとの大きな違いは「セントラルMF」である。

　昨シーズンまでは、アレクシス・マクアリステル（現リバプール）とモイセス・カイセド（現チェルシー）が、攻守両方で大車輪の活躍を見せた。特に攻撃面において、左右にボールを散らしたり、気の利いた縦パスで攻撃のリズムを作ったりと、チーム全体を巧みにパスで動かしていた。ところが、この2人が夏の移籍市場で退団。ブライトンは舵取り役を失った。

　今シーズンは、後釜としてビリー・ギルモア、新戦力のマフムド・ダフード、カルロス・バレバらを起用しているが、いずれも攻撃の構成力が物足りない。パスで組み立てる人材が不足しており、攻撃のパワー不足につながっているのだ。

　少し乱暴に言えば、（1）守備の脆さを突かれて先制点を許し、同点に追いつこうと前がかりになる。（2）セントラルMFの攻撃編成力が足りず、得点を奪えない。（3）カウンターを受けて失点。（4）結果として勝ち切れない試合が続いている、という悪循環につながっている。

現地ファンからも愛される三笘。ホームの試合前にはファンサービスに応える姿も　©AFLO

　チーム戦術として、流麗なパスワークから三笘やソリー・マーチのウインガーに得点チャンスをもたらし、勝利につなげていたのが昨シーズンのブライトンだった。しかしこうした戦術上のストロングポイントも、昨季ほど強みを出せていないのが現状だ。

　今シーズン、温存していたはずの三笘を後半頭から投入する采配が何度があったが、日本代表アタッカーの個人技に頼らざるをえない状況に陥っているように見える。

三笘対策「ダブルチームが当たり前」

　こうした中で、三笘自身も精彩を欠いている。今シーズンの三笘はシーズン序盤からほぼ試合に出ずっぱりで、疲労の影響が見て取れる。記者から「連戦に、体がまだ完全に適応できてない印象はあるか」と問われると、三笘は「求められている水準は出せてないと思います」と答え、1週間に2試合をこなす過密日程の難しさを認めている。

　さらに、チームが抱えている問題に、三笘が小さくない影響を受けている。

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