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「2年でここまで成長するのか…」高橋藍は“バレー版・大谷翔平”?「清水さーん!」大先輩にも“グイグイくる”西田有志のコミュ力もスゴかった
text by
清水邦広Kunihiro Shimizu
photograph byYuki Suenaga
posted2023/12/14 11:03
龍神NIPPONを牽引する高橋藍(22歳)と西田有志(23歳)。バレー界の未来を担う2人を、レジェンド清水邦広どう見つめているのか
Ⅴリーグで西田がいたジェイテクトと対戦していた時は、点差が4、5点あっても、次に西田のサーブで5点巻き返されるかもしれないという怖さが常にありました。それだけ彼のサーブの威力はすごい。西田マジックですね。
清水邦広を驚嘆させた西田有志の“強心臓”
ただ彼は僕と同じで、痛いところがあっても隠してやってしまうタイプなので、そこは少し心配ですね。彼は身長が小さく、その分、毎回全力で、常人ではできないジャンプをするので、体には相当負担がかかっていると思います。彼のバレーボール人生はまだまだ先が長いし、プロ選手でもあるので、コンディショニングやケアは本当に大事。そこは若いうちから気をつけてやっていってほしいですね。
性格的には、本当に物怖じしない。繊細な部分もあるんですけど、特に年上の人との接し方がうまいですね。
僕が若い頃は、例えば山本隆弘さんや宇佐美大輔さんといった先輩の前では緊張しましたし、冗談なんてあまり言えませんでしたが、西田の場合はそこを取っ払ってグイグイくる。コミュニケーション能力が高いというか、気さくというか、そこは本当にすごいなと思うし、可愛がられるタイプだと思います。
僕が初めて西田と話したのは、僕が右膝の怪我から復帰して、代表に戻った2019年です。
僕が代表に合流した時に、西田が「清水さーん!」とすぐに寄ってきて、話しかけてきました。最初に言われたのが、「僕のお母さんも膝、清水さんと同じ怪我してたんっすよ。大変やったでしょー!」ですよ。こいつすごいなと思いました(笑)。
当時、僕は32歳で西田は19歳。そんな年の差なんてお構いなしでしたね。
それに、国際大会の試合後、全世界に配信されるFIVB(国際バレーボール連盟)公式のコートインタビューに、英語で堂々と答えているのもすごい。
2021-22シーズンにイタリア・セリエAで1シーズンプレーしたとはいえ、まだ流暢というわけではないと思います。でも文法や細かいことは気にせず、思い浮かんだ言葉を胸を張って発信する姿勢、あの度胸は本当に尊敬します。外国人タイプですよね。「あいつほんますごいな」と思って見ていました。「使ってる単語、毎回ほぼ一緒やな」とも思いながら(笑)。