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「2年でここまで成長するのか…」高橋藍は“バレー版・大谷翔平”?「清水さーん!」大先輩にも“グイグイくる”西田有志のコミュ力もスゴかった
text by
清水邦広Kunihiro Shimizu
photograph byYuki Suenaga
posted2023/12/14 11:03
龍神NIPPONを牽引する高橋藍(22歳)と西田有志(23歳)。バレー界の未来を担う2人を、レジェンド清水邦広どう見つめているのか
2022-23シーズンに、彼はパナソニックに加入しました。パナソニックが強くなるための選手なので、非常に嬉しいですし、歓迎しています。パナソニックはちょっと優勝から遠ざかっているので、日本一を目指して一緒に戦っていけたらいいなと思っています。
ライバル? いやいや、彼は僕なんてもう眼中にないです(笑)。
髙橋藍(日本体育大学/モンツァ)・アウトサイドヒッター
髙橋藍と最初に会ったのは、2020年に彼が初めて日本代表合宿に参加した時でした。まだ高校を卒業するかしないかの時期で、当時はそれほど強い印象は受けませんでした。サーブレシーブやディグはその時からよかったんですけど、スパイクについてはそこまで通用していなかったので、正直、ディフェンス要員かなというイメージでした。
でも、2021-22シーズンから2年間、イタリア・セリエAのパドヴァでプレーしてから、「ここまですごくなる?」というぐらい変わりました。特に22-23シーズンにレギュラーとしてシーズンを通して試合に出場してからですね。
以前は、どちらかというと彼はストレートのコースで勝負して点数を取っていくタイプでした。ストレートを抜いたり、ストレートのコースでブロックアウトを奪うというのが多かったと思う。でもイタリアで経験を積んでからは、インナーのコースで決めることが多くなりました。あれができることによってかなりコース幅が広がり、スパイクの能力が格段に上がりました。もともとフェイントなどもうまかったですし。ブロックが複数ついた時は、以前ならブロックの奥を狙って打って、タッチを取られることが多かったんですが、今は2枚ブロックが揃ってもそのインナーを抜くことができています。
今、Aパス(*セッターの定位置への返球)からの攻撃に関しては、日本代表の中で藍が一番決めるんじゃないかと思っています。
それぐらい攻撃力が上がっていますし、サーブもすごくよくなりました。ショートサーブ(*レシーバーの前を狙ったサーブ)を覚えて、その質がどんどん上がっていますし、バリエーションも広がりました。