寺島自身は、現在は自分の人生の活路を見いだすため、さまざまな人の経験を見聞きしながら、今後について模索している最中だ。

「自分のことを理解する自己理解ワーク。自分のどういうところに価値があるのか、その価値から自分はどういう行動をすればやりがいや喜びを感じるのか。色んな方の話も参考にしながら、職種に当てはめていくことを今はやっています。

　前回は何となくの理想像しかない段階で企業に入ってしまったので、その経験もプラスに変えなければならないと思っています。4カ月間、社会に出て出会えた縁もありますし、人材会社で色んな職種を見られたのは良かったです。この4カ月を失敗ではなく、その経験を元に力を注ぎ込める仕事を見つけて、どこに価値を感じてどういう仕事をすれば熱中できるかですよね。野球以外にも自分に合った仕事は必ずあるはずなので」

一般企業への就職で学んだことも多かったという　©NumberWeb

野球は「個人事業主」、会社は「周りと連携」の違い

「ドラ1でのプロ野球生活」という華やかな世界から一般社会に飛び込むことに大きなギャップは感じなかった。

　よく懸念される金銭感覚の違いに関しても「現役の時、自分はそこまで稼いだ訳ではないので」と自虐を込めて笑うが、そういった“世界の違い”に大きく区別をつけなかったことも、いま寺島がセカンドキャリアに正面から向き合えている理由なのかもしれない。

「野球をやっている時は自分が結果を出すことだけを考える、個人事業主みたいな感じでした。でも、会社は周りの人間としっかり連携しないといけない。もしかしたら、自分はそっちの方が好きなタイプなのかもしれませんね」

　そんな違いがわかったのも、野球界を離れたからこそでもあるだろう。

　野球を辞めて、1年以上が経った。一方で、最近はやっぱり野球が「好き」なんだと再確認できたことも幾つかあった。

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