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大谷翔平に“アメリカでまさかの猛批判”…なぜ? 怒る米記者の言い分「誰かが最悪なアドバイスをしたのか」も…大騒ぎで結局エンタメになっている現実
text by
水次祥子Shoko Mizutsugi
photograph byGetty Images
posted2023/12/09 17:00
大谷翔平の契約交渉スタイルを巡って米国で批判が噴出する異常事態に
「こんな話をすることさえばかげている。オオタニはMVPに選ばれたときに犬の名前さえ明かさなかった。オオタニに6億ドルを出す球団のヤツは、頭を診てもらった方がいい。いいか、言わせてくれ。オオタニを擁するエンゼルスが9月にペナント争いをしたことは何度あったんだ? エンゼルスは今季73勝しかしていないし、オオタニは最後の25試合を休んだよね? 何をそんなに秘密にしなければならないのか? FAじゃないか。6球団と交渉しているんだろ。何なんだ。原爆か何か? 我々に知られてはいけないのか? 何ともばかげている。オオタニと朝食をともにしたことをバラしたら、アウトだなんてね」
この「原爆」のくだりについては、よりによって世界で唯一原爆を落とされた国の出身選手に対してあまりに無神経だと、米国でも批判が殺到し炎上している。
スミス氏もルッソ氏も、いつも過激な発言をする「炎上系コメンテーター」として米国では昔から有名で、彼らにとっては非難を浴びてなんぼ。よく知っている野球ファンにとっては想定内の発言でもある。原爆のたとえは流石にやり過ぎだが、ルッソ氏はこの後こう続けている。
「何でオオタニのFA劇を第二次世界大戦のテヘラン会談のように見守らなければならないのか。ばかげているにもほどがある。スターリンとルーズベルトとチャーチルが集まったあの会談だよ。気になって眠れないだろうが!」
批判の理由は「スクープ記者たちの焦り」か
それだけ大谷の去就が注目の的であり、影響力を持つということ。オルニー記者やローゼンタール記者のように情報を得てスクープを発信することで名を成してきたジャーナリストにとっては、大谷の秘密主義が死活問題にもなるため批判したくなるのもわかる。ただし米国では「人生最大の決断になるのだから、静かに見守ればいいじゃない」といった野球ファンの声も多かった。大谷の交渉は水面下で静かに進められたが、この米メディアの大騒ぎは十分に賑やかで、エンターテイメントだといえる。
ちなみに大谷の犬の名前について、MLBネットワークの司会者グレッグ・アムシンガー氏は6日の放送の中で「事情通から聞いた話だが、オオタニの犬の名前は契約する球団と関係している可能性がある」と話していた。それが本当なら、名前を非公表にしたのも納得である。
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