プロ野球PRESSBACK NUMBER
“阪神ファンが知らない”岡田彰布66歳の青春期「京都で飲んでたら大阪から岡田が」「ここで湯浅か…」“情と非情采配”の源を大学恩師・戦友が語る
posted2023/12/06 11:00
text by
清水岳志Takeshi Shimizu
photograph by
Hideki Sugiyama
たとえ熱烈な阪神ファンだったとしても、阪神戦を年間、143試合もテレビ観戦するのは大変なことだ。しかし――。
「岡田ファンなので、毎日のルーティンでした」
そう語るのは阪神・岡田彰布監督の早稲田大学野球部同期の関口一行(66・元住友金属鹿島監督/以下すべて敬称略)である。
「冗談半分なのですが……去年は負けろと思ったこともありました。岡田監督再登板のチャンスが出てくるでしょ。同期としては岡田に阪神監督をしてもらいたいんです」
同じく同期の島貫省一(66)は早稲田から阪神のライバルチームの巨人に入団した外野手(後に近鉄)だが、このように語っている。
「いちおう巨人OBですが、岡田を応援します(笑)。前回、監督を辞任した08年、巨人に13ゲームをひっくり返されて、悔しくてねぇ」
やはりもう一度、阪神のユニフォームを着てほしいと願っていたという。
石山さんの野球を岡田も覚えているんじゃないか
昨年、矢野燿大前監督が辞任を早々に公表して、2023シーズンに岡田が復帰することになった。
1年前のちょうど今頃、神戸で同期会があった。監督就任の激励会を兼ねたこともあり、例年より多くの仲間が集まった。岡田が早稲田に在籍した1~3年時(4年時は宮崎康之氏・故人)に監督を務めた石山建一(元プリンスホテル監督など)は唯一、恩師の立場で同期会に毎年、招待されている。石山は「来年のこの会は優勝祝賀会にして優勝ゴルフコンペをしよう」との挨拶をしたそうだ。
彼らの長年にわたる深い関係性を感じさせるとともに――島貫は阪神の23年シーズンに岡田野球の特徴が出たのでは、という感想を語る。
「岡田は“来年のチームは今年より力はあるよ”と言ってたんです。私は、打線が弱いし、セ・リーグで優勝したとしても、まさか日本一になるとは思ってなかった。新戦力の村上(頌樹)、大竹(耕太郎)が二人で20勝以上を挙げたように、ポテンシャルを見抜く独特の感性が岡田にはあると思います。〈1対0の野球、守り勝つのが好き〉とは昔から言っていました。中野(拓夢)をセカンドにしたのが効いてるし、理想の野球ができたのかな、と」
その意見は、1学年上の先輩も首肯する。かつてトヨタ自動車に在籍した佐々木雅次は攻撃的な1、2番をこう評価した。