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“15億円を積まれた男”「上田綺世のスゴさ、伝わってます?」W杯予選2戦5発…人気解説者・林陵平が「全部もってる」と推すストライカー能力 

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posted2023/11/22 11:06

“15億円を積まれた男”「上田綺世のスゴさ、伝わってます?」W杯予選2戦5発…人気解説者・林陵平が「全部もってる」と推すストライカー能力<Number Web> photograph by JFA/AFLO

日本代表では自身初のハットトリックを達成した上田綺世(あやせ/25歳)

 抜け出しに成功し、GKと1対1の状況になるとストライカーは「対角」に打ちたくなるもの。でも実は盲点はニアのコース。上田はそこに流し込むゴールが結構多いんですよ。対角、ニア、GKが迫ってくればループ、当然GKの股下も狙っている。シュート状況での選択肢が豊富なのは、GKの一瞬の反応を鈍らせます。

 さらにボックスの外から決め切るテクニック、パンチ力もあります。少しマニアックな話になりますが、ここにも上田の凄さが隠れています。

 身体をオープンに開いて外から巻くインフロント(親指の付け根付近)でのシュートは得意とするところですし、それと見せかけて最後の最後でニアにコースを変える技術もある。GKとしては逆モーションになるから対応しにくい。さらに個人的に素晴らしいと感じるのは、インステップ(足の甲)でのシュート。“ズドン”とシュートを放つと見せかけて、足の少し外側に当ててアウト気味に打つ。インステップの真っ直ぐの振りで“対角”に打てる選手はなかなかいないんです。こういう細かい技術を見ると、より凄さを感じることができます。

身体能力も技術もメンタルも全部そろってる

 そもそも、前提として上田は日本代表やヨーロッパで戦えるだけのアスリート能力、高い身体能力を持っています。競り合った時のジャンプではよく「空中で止まっている」と評されることが多いですし、強いヘディングシュートを放つ首の強さもある。しっかりとした下半身から生まれる粘り強さも備えているのでボックス内で倒れるシーンは少なく、無理が利く。腰が切れるので斜めに走り込んで逆サイドに流しこむシーンもよく見かけますよね。

 生まれ持ったスピード、ジャンプ力、瞬発力、体の強さに加えて、高い技術。そして学生時代からどんな試合でも動じないメンタリティ……ストライカーに必要な能力は全て持っている選手だと思います。

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