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「10番は松田なのか…」松田力也がラグビーW杯で示した驚異のキック成功率…靭帯断裂→イップス不安から一転、勝負強さを取り戻せたワケ
 

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生島淳

生島淳Jun Ikushima

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2023/10/20 17:01

「10番は松田なのか…」松田力也がラグビーW杯で示した驚異のキック成功率…靭帯断裂→イップス不安から一転、勝負強さを取り戻せたワケ<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

ラグビーW杯で全4試合にSOとして出場した松田力也。今大会を通じて20本中19本のキックを決め、成功率は驚異の95%を記録した

 W杯初戦のチリ戦で10番をつけたのは松田だった。そして結果を出す。まず、不安視されていたプレースキックを6本すべて成功させた。試合後、松田はしっかりとキックに入るまでのルーティーンを修正できていたことを喜んだ。

「これまで難しい試合で外したりしてましたが、この舞台で決めるためにいろいろ準備してきたので、これからも一貫性をもって決め続けたいです」

 靭帯断裂の怪我を負ったあとから、松田はキックのメカニックを変えた。蹴る右足ではなく、右肩の引き具合によって調整するようになっていた。イタリア戦でのキックが不調だったことは間違いないが、松田には立ち返る原点があり、だからこそ修正が効いた。W杯本番に合わせてきたあたり、経験値の重み、そして彼自身の勝負強さを感じさせた。SOとしては、チリの情熱的なアタックに苦戦を強いられた場面もあったが、80分を通してみれば及第点の出来だった。

イングランド戦「キックには、キックを」

「本当に簡単なゲームではなかったですけど、初戦でジャパンがひとつになって、ジャパンのラグビーを続けた結果、勝利することができてうれしいです。今日はどんどん相手ゾーンに入っていき、スコアを狙っていくというプランでしたが、上手くいったと思います」

 続くイングランド戦では、松田はまったく違うゲームプランの下で仕事をすることになった。セットピース、そしてハイボールをはじめとしたキックを戦術の柱とするイングランド相手に、日本はどんな対抗策を示すのか? その点に注目が集まったが、「キックには、キックを」という極めて珍しい戦術を日本は選択した。

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