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「これがラグビーです」リーチマイケルが35歳で臨んだW杯アルゼンチン戦…潔い言葉が胸に刺さる!「日本代表にとって新しい歴史になる」
text by
大友信彦Nobuhiko Otomo
photograph byKiichi Matsumoto
posted2023/10/15 17:05
4大会連続でラグビーW杯日本代表としてプレーしたリーチマイケル(35歳)
今回、リーチは主将ではない。しかし海外も含め、多くのメディアがリーチを日本チームのシンボルと見なしていた。心臓であり頭脳であり全身を貫く背骨だ。
そして迎えたプール最終戦のアルゼンチン戦。互いに、勝てば8強進出が決まり、負ければフランスを去るというサバイバル戦。決戦を前に、リーチが会見に出た。
「日本ラグビーにとってすごく大事な一戦。海外のW杯でベスト8に行けたらスゴいこと。日本代表にとって新しい歴史になる」
日本のラグビーは強いと証明したい。それはリーチが再三口にしてきた悲願だ。
「日本代表が弱いときから強くなるまでずっとやってきた。まだ海外で1勝することもなかなかない時代から、新しい日本代表の歴史を作ってきた。また明日、同じように新しい歴史を作るチャンスが来た。ここで勝てば、次の大会にも繋がる。すごく大きなターニングポイントになる」
日本代表デビューを飾ったのは東海大2年
リーチが日本代表デビューを飾ったのは東海大2年だった2008年11月のアメリカ戦、ヘッドコーチ(HC)はジョン・カーワンだった。初めて臨んだW杯は東芝ブレイブルーパスに加入した'11年、母国ニュージーランドでの開催だったが、日本は3敗1分と勝利なしに終わった。
翌'12年にエディー・ジョーンズHCが就任したが、パシフィック・ネーションズ杯ではフィジー、トンガ、サモアに全敗を喫した。同年11月、欧州遠征の初戦で日本はルーマニアを34-23で破ったが、これは日本代表が欧州でのアウェー戦であげた初めての勝利だった。'15年のW杯初戦で南アフリカを破るまで、W杯での日本の勝利はその24年も前、1991年のジンバブエ戦以降なかったのだ。
かくも長き敗北の歴史をリーチは塗り替えてきた。そしてアルゼンチン戦の前日、35歳の誕生日を迎えたリーチは、さらに上を見た。
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