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阪神・岡田彰布監督がいま明かす“18年ぶり”優勝秘話…4番を佐藤輝明でなく大山悠輔に決めたワケ「よくもまあ、ここまで強くなったもんや」
text by
内匠宏幸Hiroyuki Takumi
photograph byTadashi Hosoda
posted2023/10/06 17:01
阪神タイガースを率いて2005年以来、18年ぶりにリーグ制覇した岡田彰監督が“優勝秘話”を明かした
「そしたらな、新しい練習とか考え方が新鮮やったんかな、若いヤツが前のめりになって、興味津々ってな感じやった。オレ、これがうれしかったわ。これは相当な伸びしろがあると確信したわ」
年を越し、春の沖縄キャンプ。
岡田は大事な決断を迫られていた。
「4番は誰もが認める者じゃないといけない」
気になる選手が2人。大山悠輔と佐藤輝だった。どちらを4番に据えるか。岡田の頭には「佐藤輝」が大きくなっていた。だが、それが揺れてきた。大山をずっと見る。ある時、周囲の大山に対する接し方が違うことに気づいた。
「大山の周りには、いつも選手が集まっていた。アイツの姿勢を見て、人が寄っていくし、慕われるんやろうな。4番は誰もが認める者じゃないといけない。だから“4番大山”を決め、それをシーズン通して貫くことを決めた」
大山は凡打でも一塁に全力疾走する。
ある日、岡田は大山を諭した。
「そんなに全力で走るな。クリーンナップを打つんやから、それでケガでもしたらどうする」
4番は試合に出続けるべき、唯一無二の存在だ。離脱すればチームの成績に響きかねない。それでも、大山はやめなかった。
「2、3年前から、オレは大山に新聞社の取材で対談した際などに『全力疾走はやめろ』と言うとったんよ。疲れるだけや、と思った。それでも止めんからな、アイツは」
岡田は大山のプレースタイルと認めるしかなかった。これが不動の4番の姿だと。
佐藤輝を「不思議な選手」と表現する
もう1人の佐藤輝のことを、岡田は「不思議な選手」と表現する。状態がいいのか悪いのか、それが判別できない。これまで接してきた中でも特異な選手だったーー。
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