「（3セット目を取られ）悪いイメージが雰囲気で出ていたかもしれないし、やらなければいけない、昨日（のフィンランド戦）と同じようにしてはいけない、というのがあったのかなとは思います。でも、これが今の僕たちの力。今日負けてしまったので、あとは勝つしかない。引きずらないように、いかに切り替えるか。いいプレーができるかどうかが大事だと思っています」

「それぞれがフラストレーションを……」

　辛勝の1戦と惜敗の1戦。

　開幕2連戦は、結果の違いこそあれ、なぞったように同じ経過をたどった。前述の通り、得たセットは一方的な展開であっさりと取り切る。それなのに第3セットからは、まるで別のチームかのように相手の猛追を受け、それまでの2セットとは異なり拮抗した展開が続く。攻めに転ずる相手のサーブからサイドアウトが取り切れず、被ブロックの数と相手にブレイクされる回数が増えていく。

　なぜそうなるのか。「理由は1つではない」と自らの言葉を噛みしめるように小野寺は平静を務めた。

「あれだけ崩しながら点が取れなかったし、取れるチャンスをものにできなかった。一人、一人がフラストレーションを抱えながらやっていて、なかなかコートの中で発散できなかった部分が多くありました。自分の出来も不甲斐なかったし、もっとここでこれができていれば、という思いもみんなの中にあった。コミュニケーションは取っていましたけど、根本的な解決にはつながらなかったというのが反省点です」

ブロックやクイックだけでなく、効果的なサーブでもチームに貢献する小野寺太志　©︎Yuki Suenaga

　エジプト戦で特に顕著だったのが、日本がサーブで崩した後のシチュエーション。相手セッターがコンビを組めず、両サイドへ高く上げるのが精いっぱいという攻撃に対し、日本のブロックは2枚ないし3枚は跳んでいた。数的優位の状況をつくれているにも関わらず、そこで相手の放ったスパイクがブロックに当たって飛ばされたり、間を割って日本コートに落ちた。

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