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マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
「あなたがスカウトなら誰を指名する?」大学“ドラフト上位候補”に聞いてみた…逸材たちが自ら選んだ「ドラ1」は?《野手に聞いた編》
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byJIJI PRESS
posted2023/09/28 17:01
逸材ぞろいの今年の大学生ドラフト候補たち。実際に同じフィールドで戦った彼らが選んだ独自の「ドラ1候補」は…?
学生野球の”監督”が選ぶ「ドラ1」は…?
さらに、何人かの学生野球の監督にも同じ質問をしてみた。
「監督がもしプロのスカウト部長だったら、今年2人獲れるとしたら。さあ、誰と誰でしょう?」
立場上、ここは匿名ということにさせてもらった。
◆A監督の場合
「まず、上田希由翔(明治大)。打つ、打たないより、打席の雰囲気が違う。一度は打ち取っても、次は必ずやられそうな雰囲気があって、その通りやられてしまう怖さ。こういうのが本当の『4番打者』ですよ。
投手は左で細野(東洋大)と武内(國學院大)で、とことん迷う。コントロールが暴れなくなってくれば細野かなぁ。ボールの質が違う。でも、武内の打ちにくさも捨てがたい。数字(スピードガン計測)はそれほどでもないのに、ものすごく差し込まれる。右は何人もいて迷う。絞り切れないぐらいいる……というのは間違いない」
◆B監督の場合
「バッターでは、廣瀬(慶應大)。こんなバッター、ほかにいないでしょ。ど真ん中で三振したかと思ったら、際の難しいボールを放り込む。パワーと意外性。間違いなくホームランバッターですよ。好打者は出てくるが、強打者はめったに出てこない。出てきた時に獲っておかないとね。イチロー選手だって、“すごいイチロー選手”にはなれるけど、“村上宗隆(ヤクルト)”には絶対になれない。
ピッチャーは……これだけたくさんいると、もう好みで選ぶしかないでしょ。好みなら、下村(海翔・青山学院大・174cm73kg・右投右打・九国大附高)ですよ。打者に向かっていくファイティングスピリット、コントロール、テンポのいい投げっぷり。150キロが投げられて、変化球も手元で鋭い。こいつで勝負して、打たれたらしょうがない。監督として、心中しても悔いのないピッチャーですね。もちろん、今のウチに欲しいです」
◆◆◆
数分の立ち話での聞き取りゆえ、多少の過不足、聞き落としはご容赦願うとして、共にグラウンドで闘った体感、チームメイトとして奮戦した上での実感をベースにした「評価」だけに、どれも興味深いものばかりだった。
私自身、とても勉強になったし、なんならもっともっと聞きまわってみたかったほど、タメになる「取材」をさせてもらった。
選手のみなさん、監督さん方、ご協力ありがとうございました。
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