草茂みベースボールの道白しBACK NUMBER
大谷翔平とダルビッシュ有が送った“元女房役”へのメッセージとは…2人の「世界一投手」に愛された大野奨太が貫いた“いぶし銀”の男道
posted2023/09/26 11:02
text by
小西斗真Toma Konishi
photograph by
JIJI PRESS
残暑厳しい9月21日、中日二軍の本拠地であるナゴヤ球場で、3選手がファンに別れを告げた。中日一筋17年の福田永将、チーム最年長で、日本ハムに在籍していた2016年の日本シリーズでは胴上げ投手になった谷元圭介、そして同じく日本ハムからFAで移籍してきた大野奨太である。
中日での6年間は「最大の親孝行」
「北海道日本ハムファイターズで9年、中日ドラゴンズで6年、合計15年やらせていただきました。中日に来てからなかなか結果が出ず、二軍生活が多い中でナゴヤ球場のみなさんの声援が本当に力になり、ここまでやることができました。本当にありがとうございました。今日、(一軍にいる)堂上(直倫)はいないですが、この4名が今年限りで引退します。これからまだまだ若い選手が伸びて、ドラゴンズの未来を背負っていってくれると思いますので、これからも温かい声援よろしくお願いいたします。15年間、本当にありがとうございました」
律儀でまじめな大野らしい言葉に、953人の観客は拍手と歓声で、そして仲間たちは胴上げでねぎらった。この日のウエスタン・リーグ広島戦は今シーズンのホーム最終戦。それに先立って18日に行われた堂上を含めた4選手合同の引退会見では、ドラゴンズでプレーした6年間を「僕にとっては最大の親孝行でした」と表現している。
「小さいときからあこがれて、大好きだったユニホームを着て野球することができました。両親にも近いところで野球ができる環境をいただいて、本当に感謝しています」