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「あの日、初めて異世界を見た」福岡堅樹がラグビーW杯で体験した極上の”ゾーン”とは?「相手が追いかけてくる足音が聞こえて…」
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byAsami Enomoto
posted2023/09/15 11:00
現在は順天堂大学医学部3年生の福岡堅樹。4年前のラグビーW杯、ゾーンに入ったという極上のトライについて語った
「ケガをする前から、その週はハムストリングに張りがありました。危ないなあ……と思っていたら、試合が始まってすぐにピキッときてしまって。今だから話せますが、ジェイミー(・ジョセフ・ヘッドコーチ)からは『もう少し頑張れないか?』と指示が出ていました。でも、ここで頑張ったらひどくなる一方だと感じたので、開始4分でしたが、自分から無理だと伝えました」
診断はグレード1の肉離れ。幸い、軽傷だった。チームドクターの見立ては「復帰は10月13日のスコットランド戦」というものだった。
「不思議と焦りはありませんでした。同部屋の徳永祥尭に『これでスコットランド戦で活躍したら、大ヒーローになれる』と話していたくらいなので(笑)」
アイルランド戦の準備の時点で「たぶん大丈夫」
その前向きな気持ちもゾーン突入の要因だったのかもしれない。治療面では、受傷してからすぐにリハビリが始まったことも大きかった。
「ひと晩経ったら治っていた――ということは絶対にあり得ません。日本では安静にすることが一般的かもしれませんが、あの時はトレーナーのカール(・マクドナルド)の作ったメニューで翌々日からバイクを漕いだり、高圧酸素室に通ったりして、回復を促しました。僕の感覚では、安静期を設けずにすぐにリハビリに入ったことで、回復が早まったと思います。9月23日からはアイルランド戦の準備に入って、その時点で『たぶん大丈夫だろう』と言われました」
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