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ドイツ戦4-1、U-22日本はパレスチナに1-0で危機感…大岩監督「彼らも目が覚めると思う」“A代表経由パリ五輪行き”へ奮い立てるか
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byKyodo News
posted2023/09/10 17:03
先制ゴールを決め、喜ぶ藤尾翔太(左)ら。パレスチナ相手の1-0で、連勝を飾った
パレスチナは守備が堅いだけでなく、一人ひとりのボールへの執着心が強く、最後まで体を寄せて日本の攻撃を阻んできた。
一方、日本は初戦のパキスタン戦から中2日で迎えたこの試合で、GK鈴木彩艶(シント・トロイデン)を除く10人を入れ替えて臨んだから、連係や共通意識の部分で難しさもあっただろう。
おまけに、21時30分キックオフでありながら、バーレーンはこの夜も気温35度、湿度71%だった。
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「暑さや疲労で頭が回らない時間帯があって。特に今日は後半、湿気が増えて、前半よりも暑く感じたんですよね。そこはちょっとした誤算でした」
木村が振り返ったように、酷暑が選手たちの心身を蝕んでいた。1-0の最少得失点差でゲームが推移していたため、後半に入ると、リスクマネジメントに重きが置かれた面もあったのかもしれない。
大岩監督が会見直前に聞いた〈日本4-1ドイツ〉
とはいえ、「それにしても……」と思わざるを得なかった。こういう苦しい展開、過酷な環境でこそ、ゲームを動かせる選手、チームを引っ張れる選手が出てきてもらわなければ困るのだ。
“A代表経由パリ五輪行き”をスローガンとするのであれば、なおさらだ。
大岩監督がその知らせを聞いたのは、記者会見に向かうためにロッカールームを出たときだったという。
日本代表が4-1でドイツ代表に勝利――。
パレスチナ戦のキックオフから遅れること15分、遠く離れたドイツのヴォルフスブルクで始まったカタールW杯の再戦は、日本がドイツを返り討ちにした。それも快勝と言えるような内容で。
「結果を聞いて彼らも目が覚めると思う」
来夏のパリ五輪前にA代表に割って入り、3年後の北中米W杯のメンバーに食い込むことを目標に掲げる大岩ジャパンの選手たちにとって、その結果・内容は、越えなければならない壁がさらに高くなったことを意味している。
今夏、ベルギーに渡った山本は、危機感をあらわにした。
「トップのクオリティは間違いなく上がっていると思うし、その中で僕らも付いていかなきゃいけない。A代表はドイツに4-1で勝ったけど、僕らはこの相手に1-0。当然、満足いくものではないし、結果以上に自分の出来にフォーカスして、もっともっとやっていかなきゃいけない。A代表の選手はトップクラブでやっている選手ばかりで、特に自分のポジションはそういう選手が多い。そこに食い込んでいくためには自チームでの取り組みが大事になってくる。常に上を目指して取り組んでいかなきゃ、追いつけないなって思っています」
指揮官も選手たちにハッパをかけている。