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「打者・大谷翔平」は本当に試合に出続けて大丈夫なのか? 識者が解説する“右肘故障の影響”と“今オフ去就の焦点”「契約をめぐる判断は複雑化して…」
text by
小早川毅彦Takehiko Kobayakawa
photograph byGetty Images
posted2023/09/01 11:03
打者として試合出場を続けている大谷翔平
故障が移籍に及ぼす影響は?
今オフ大谷はFAとなりますが、この故障により去就の予想が難しくなったことは間違いありません。故障する以前より評価が下がったかと言われれば、当然下がりはするでしょうが、だからと言って獲得したい他球団が手を引くことはないでしょう。複数の主力選手が放出されるという報道を見る限り、エンゼルスも当然、大谷の引き止めに全力を注ぐはずです。
移籍の選択をする場合、怪我する以前は単純に大谷の希望である「優勝を狙えるチームでプレーしたい」という部分と、それに見合った条件面というポジティブな契約の内容だけが焦点でしたが、故障後の今はそこに複数の要素が加わります。リハビリのプロセスはどうするか、その間の契約内容は、治療は誰に任せるのか、などネガティブな要素の契約内容も焦点になってくるでしょう。
「二刀流」をやめる選択肢も
大谷自身の判断で、一時的に、あるいは恒久的に「二刀流」をやめて「外野手」になるという選択肢だってあるわけです。メジャーリーグで確固たる地位を築き上げた今の大谷なら、自分の希望をそのまま叶えることができる。だからこそ今オフの去就をめぐる判断はより複雑化するはずです。
何にせよ、今は残り1カ月となった戦いの中で大谷がどんなバッティングを見せてくれるのか、ほぼ確実となっているホームラン王以外のタイトル獲得もあるのか。その奮闘ぶりに注目していきたいと思います。