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「打者・大谷翔平」は本当に試合に出続けて大丈夫なのか? 識者が解説する“右肘故障の影響”と“今オフ去就の焦点”「契約をめぐる判断は複雑化して…」
posted2023/09/01 11:03
text by
小早川毅彦Takehiko Kobayakawa
photograph by
Getty Images
右肘の内側側副靱帯の損傷で投手としては今季出場絶望となっているエンゼルスの大谷翔平は、打者として試合出場を続けている。そもそも、右肘の怪我は本当にバッティングに支障がないのか? 今後の「二刀流」の動向は? メジャーリーグに精通するNHK解説者・小早川毅彦氏に聞いた。
大谷の故障が判明したのは日本時間8月24日のレッズとのダブルヘッダーの1試合目が終わった後のことでした。右肘靭帯損傷ということで、投手としては今季の登板はなくなったものの、打者としては出場を続行。ダブルヘッダーの2試合目から8月31日試合終了時点で、7試合に出場し27打数9安打と以前と変わらない活躍を見せています。
打撃に影響なし、は本当?
そもそも、右肘を故障したままバッティングを続けていることは本当に問題ないのか。疑問に思う方は少なくないでしょうが、ことバッティングの動作という点においては「影響はほとんどない」というのが私の考えです。
大谷は「右投げ左打ち」。投手としてピッチングの動作をする際に負担がかかるのは、右肘の内側の筋肉と腱です。トップの位置からボールをリリースする直前の動き、リリースした直後に指先がグッとボールを押し出した時に内側の腱が引っ張られたり伸びたりして、大きな負荷がかかるわけです。
一方で、左打者のバッティングでは、右腕は「押す」のではなく「引く」動きをする。肘を畳んだところから体の内側へと引っ張るような動作となるので、右肘の外側しか負荷がかからない。私も現役時代は大谷と同じ左打者でしたが、肘の痛みがバッティングに影響するという話は聞いたことがありませんでした。