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「明らかに休みが必要だ」メジャー名将がホームランキング独走の大谷翔平に“休養のススメ” 「最低でも10試合は…」
posted2023/08/17 17:00
text by
及川彩子Ayako Oikawa
photograph by
Nanae Suzuki
メジャーリーグの多くの監督が「選手とのコミュニケーション」の重要性について語っている。
監督歴26年で昨年のワールドシリーズを制覇したアストロズの名将ベイカー監督はまず最初に「愛情を持って公平に接すること」を挙げる。
「数字や結果だけで判断するのではなく、彼らが『生身の人間』であることを理解して、一人一人がどうしたら良い成績を収めることができるか、成功できるかを熟考する。そのために一人一人の選手について、できるだけ多くのことを知ることが重要」と話す。
「選手の目をみれば分かる。不安や自信は目に出るんだ」
試合中のコミュニケーションの取り方も独特だ。
「監督っていうのは、常にアンテナを張っていないといけないよ。ダグアウトで選手同士が話している会話も重要なんだ。聞き耳を立てているわけじゃないけれど、聞こえてくるものは仕方ない。調子が悪い、不安がある。選手同士のそういう些細な会話も参考にしている」
情報を手にしたからと言って、選手に対してすぐにアプローチするわけではない。
「選手に接する時にはタイミングを見極めることも大切だ。すぐに話しかけるべきか、黙って見守るべきか。肩に腕を回してカジュアルに話すこともあれば、ちょっと厳しいことを言うこともある」
言葉を交わすことだけがコミュニケーションではない。いかに選手の考えを理解し、必要に応じて手綱を締めたり、緩めたりするか。
「言葉がなくても選手の目を見れば分かる。不安や自信は目に出るんだ」
名将と言われる監督はコミュニケーション力だけではなく、洞察力、人心掌握術に長けている。
大谷への休養のススメ
昨年のオールスターでベイカー監督がア・リーグの指揮をとったこともあり、大谷翔平はアストロズ戦では打席に入る際にベイカー監督に挨拶をするのが恒例になっている。