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3戦連続MVP久保建英が「ユニ引っ張られても突破」気になる右足テーピングとシルバ引退の影響…“タケの配信に映らない表情”を撮った
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2023/08/30 20:00
3試合連続MVPと連続ドロー。久保建英が奮闘する中、レアル・ソシエダは上昇気流を描けるか
ボックスやや外でボールを受けた久保は、細かいステップで相手の隙を生むと、中にフリーで走り込むスビメンディへふわりとしたパスを供給する。頭で合わせたスビメンディだったが、相手GKのファインセーブに阻まれてしまった。
75分、久保はブライス・メンデスと共に、チョ、新加入のザハリャンと交代、ピッチを後にした。試合終盤は、ラスパルマスの攻勢となるが、ここでも守護神レミロがすんでのところで守り切り、スコアレスドローで終了。久保は3試合連続でMVPに輝くなど奮闘したが、ソシエダとしては痛い3連続引き分けとなった。
試合後、すでにテーピングは外されていたが……報道によると、久保は2日間安静のため全体練習に参加していないとのこと。次節はホームへ戻りグラナダと対戦する。今度こそソシエダはホームで今季初勝利を祝えるだろうか。
グランカナリアは“久保の師匠”シルバの故郷でもある
話は変わり、当地のサッカークラブ、UDラス・パルマスに流れる21番について。
ピルロやアイマールら……10番ではなく、21番を背負った天才と言われるプレーヤーたちがいた。ソシエダとラスパルマスの一戦で不在の影響を大きく感じさせたシルバだが、彼もまた21番を愛した男だった。
最後のチームとなったソシエダだけでなく、マンチェスター・シティでもバレンシアでも、スペイン代表でも多くの時を21番のユニホームを纏って戦った。
彼の出身地はグランカナリアのアルギネギンと言われる。
バルセロナから飛行機で3時間半、スペイン本土よりアフリカ大陸の方が近い。
そんな小さな丸い形をしたグランカナリア島の南南西に位置するその村からは、シルバにとって憧れの偉大なサッカー選手が生まれている。
シルバより一回り近く年配となるフアン・カルロス・バレロンがその人だ。
生まれた島のチームでデビューした時の21番に愛着を持ったバレロン。その天才的なテクニックで最も活躍したデポルティボ・ラコルーニャ時代、スペイン代表、さらに引退前に戻ったラスパルマスでも21番を背負った。
スタジアムに向かって一番最初に目にしたのも、「21 VALERON」と書かれた黄色いユニホームだった。
現在21番を纏うのは、ジョナタン・ビエラ33歳、グランカナリアを生まれ故郷とする選手の1人だ。もちろん彼のユニホーム姿のサポーターも多く目にすることができた。