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鹿島の10番・本山雅志が、いま明かすJリーグ連覇中の”体の異変” 手術は8時間におよび「腎臓を4分の1残すことに成功したが…」
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byJ.LEAGUE
posted2023/08/27 11:05
鹿島アントラーズで18年にわたりプレーした本山雅志。2008年は腎臓の病気を抱えながらもリーグ戦32試合に出場し鹿島の連覇に貢献した
18年在籍したアントラーズには「感謝しかない」と言う。そして練習からハードにやるというクラブの流儀を受け継ぐとともに、それをベテランになっても負荷を落とそうとしなかったところに本山のプライドがのぞく。
「練習で調整して試合に出るっていうのはあんまり好きじゃないんです。(若手のころ)自分たちのほうが練習やっているのになって思ったこともありましたから。練習で試合に出る権利を勝ち取らなきゃいけない。僕はベテランだと言われようが、練習をマックスでやってきたつもりだし、それによってケガも多くなった。(負荷を)落としてやれば良かったんでしょうけど、僕にはできなかった」
一言で表現すれば「勝負にこだわるサッカー」
本山のような選手がいるから、アントラーズは3連覇を成し遂げることができた。あのときのチームはなぜ強かったか。本山はひと呼吸置いてからこう言った。
「みんなうまかったし、紅白戦をやればみんなバチバチ。今振り返っても、いろんな人からアントラーズのサッカーは面白くないとかも言われたけど、やっているほうからすればかなり面白かった。一言で表現すれば、勝負にこだわるサッカー。たとえば今日はチームの誰が調子良くないとか、相手がこうだとか、みんなでカバーしてみんなで判断して戦い方を変えることができる。そんなチームでしたよね」
誇りと責務の18年間――。
本山雅志はアントラーズそのものであり、アントラーズは本山雅志そのものであった。
<第3回に続く>
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