それは直球への対応と選球眼。今夏の大会でも甘い球を見逃し、高めのボール球に手を出す場面が少なくなかった。無安打に封じられた仙台育英の湯田統真投手のように、球威のある直球に苦労している。

　3人の中では最も背が高い身長189センチの広陵・真鍋は「ドラフト上位候補」と評価している。今夏の甲子園は2試合で8打数3安打。本塁打はなかったが、逆方向にも強い打球を飛ばした。スカウトは「佐々木選手よりパワーは劣りますが、穴は少ない打者」と表現する。

広陵・真鍋　©Nanae Suzuki

「真鍋選手はスイングスピードが速くポイントが体に近いので、逆方向にも長打を打てるところが魅力です。ポイントが近くなれば投球を長く見られるため、変化球への対応やストライクとボールの見極めをしやすくなります。リーチの長さは、外角の直球や低めの変化球に対してメリットがあります。その分、内角の速い球への対応は難しくなりますが、それはプロでも大半の打者が取り組んでいる課題ですし、スイング軌道や体の使い方に問題は感じていません」

九州国際大付・佐倉は「3割、20本」タイプか

　九州国際大付・佐倉は長打力に加えて、コンタクト率の高さが評価されている。今大会は土浦日大に初戦で敗れ、自身も4打数1安打に終わった。福岡大会も含めて期待された柵越えは出なかったが、甲子園の最終打席ではセンター前に鋭い打球を飛ばしている。スカウトが佐倉を評する。

九州国際大付・佐倉　©Nanae Suzuki

「佐々木選手や真鍋選手と比べるとパワーや飛距離では劣るかもしれません。ただ、スイングの軌道が良く、バットの芯に当てる技術は3人の中で最も高いです。柔らかさもあるので変化球への対応力が高く、比較的弱点が少ない打者と言えます。木製バットを苦にしないと感じます。将来的に本塁打を40本打つ大砲というより、打率3割、本塁打20本を期待する中距離打者として評価する球団はあるはずです」

慶応相手に豪快なHRを放った“あの一塁手”も高評価

　右打者の中でスカウトが高く評価したのが、沖縄尚学の一塁手・仲田侑仁選手だった。

　今大会は相手チームの厳しいマークや右太腿裏の痛みもあって、11打数2安打の打率.182に終わった。それでも、準々決勝の慶応戦では先制2ランを放っている。前の打席で3球続けられてサードゴロに打ち取られた緩いカーブを引っ張り、レフトスタンドに運んだ。

　スカウトはこのように語る。

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