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三笘薫26歳の伝説的ゴール、現地記者は目撃した…敵サポーターすら驚き「ワォ…」英国人記者は絶賛「あのマラドーナの5人抜きを思い出した」
posted2023/08/23 18:00
text by
田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph by
AFLO
センセーショナルなゴールが生まれたのは、前半15分のことだった。
8月19日に敵地で行われたウォルバーハンプトン対ブライトン戦。4-2-3-1の左MFで先発した三笘薫がタッチライン際でボールを受けると、中央にカットインした。そして、マーカーのネルソン・セメドをかわしドリブルで前へ進み始めた。
慌てたポルトガル代表DFに左肩をグッと掴まれたが、三笘は力強く振り払い、そのままゴール前に突進。ギアを上げて加速すると、ペナルティエリア内に侵入した。最後は、相手CBのマックス・キルマンに右胸を押されたが、三笘は物ともせず右足でシュート――。ゴール右に鮮やかに流し込んだ。
三笘は「1回だけだと忘れられてしまう」
得点後、三笘は耳に手を当てながら、バックスタンドに陣取るブライトンサポーターのもとに駆け寄り、芝の上で両膝を滑らせた。「もっと歓声が欲しい」と言わんばかりの派手なゴール・セレブレーション。日本サッカー史に残るであろう、鮮烈なゴールが生まれた瞬間だった。
後半にも1アシストを記録して4-1の快勝に貢献した三笘は、得点場面を次のように振り返った。
「最初の相手を抜いた後、空いてるところが見えた。“スピードに乗れば行けるかな”と考えながらドリブルしていました。思ったより相手のカバーが遅れていたので、すごくラッキーでした。
(記者:シュートを打つ瞬間もよく見えていましたか?) そうですね。 (記者:試合後、自身の得点場面を確認しましたか) 見ました。クオリティーの面でも良いゴールですし、ドリブルの距離からしても目立ちやすいゴールだったと思う。そういう面では良かったですけど、どんどん更新しないといけないと思ってます。
あれを何試合できるかってところ。1回だけだと忘れられてしまう。これを何回もすることで、良いプレーヤーになっていくかなと思います」
「昨シーズン以上のトップスピードを求めています」
三笘が左サイドでボールを受けた際、ここからゴールにつながるプレーが生まれるとは思いもしなかった。しかも、マーカーに肩を強く引っ張られ、足にもタックルを受けた。昨季の三笘ならここで倒れていてもおかしくないが、体勢を少し崩しただけで、むしろ走りのスピードを一気に上げた。
「肩を掴まれても加速したところに成長の跡が見えました……」と聞いてみると、26歳のアタッカーは次のように答えた。