「野球に敬意を持っている翔平に対して、私は敬意を持っているよ」

　二刀流で活躍する大谷をこう評価する。

「ほとんどの投手は打者の考えを読めないし、多くの打者は投手の考えをなかなか読むことができない。だから『相手を読もう』と頭を使いすぎて疲弊する。でも、優秀な投手や打者はお互いを読むことができる。つまり二刀流の大谷は投打で自然と相手を読むことができる。それも彼の強みだろう」

　大谷のフィジカルの強さも指摘する。　

「普通、投手は先発後の2、3日は体に張りが出る。でも大谷は先発して7回、8回まで投げながら、打者としても出場している。きちんと休んでいるのか、練習する時間はあるのか、追い込むタイミングはあるのか、その辺がとても気になる」

ここまで投手として22試合に登板しチームトップの10勝をあげている大谷（8月16日現在）　©︎Nanae Suzuki

「明らかに休みが必要だ。プレーオフに行きたいなら…」　

　データ班から大谷について興味深いデータを教えられたと話す。

「私は気づかなかったが、大谷は先発登板した時、エネルギーをセーブするために盗塁数がとても少ない。とても賢いと思う」　

　大谷に疲れがあることは他チームのデータ班、首脳陣は把握している。

　大谷は7月下旬の遠征で相次いで痙攣を起こし、その後途中交代や降板が重なった。

「明らかに休みが必要だ。プレーオフに行きたいなら、休みをとらないと」　

　しかしエンゼルスは怪我人も多く、台所事情は厳しい。大谷を休ませる余裕はないのかもしれない。

「プレーオフを目指しているチームにとっては、薄氷を踏むような試合が続くので（大谷の欠場は）厳しい判断になるだろう。だが（監督が）あれこれ小手先のことをしてもプレーオフにはいけないし、プレーオフでどう戦うかも視野に入れて采配しないといけない」と指摘する。

最低でも10試合の休養を

　ベイカー監督は、選手の休養日について持論がある。

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