メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
「明らかに休みが必要だ」メジャー名将がホームランキング独走の大谷翔平に“休養のススメ” 「最低でも10試合は…」
text by
及川彩子Ayako Oikawa
photograph byNanae Suzuki
posted2023/08/17 17:00
打っては42本塁打、投げても10勝と獅子奮迅の活躍を続けている大谷翔平。敵将のベイカー監督が”休養”について警鐘を鳴らした
「ルーキー選手としてブレーブスに入団した際、先輩のハンク・アーロンに『年間150試合、プレーするようにしなさい』と言われたんだ。オフの日以外に10~12試合は休んだ方がいいと言われた」
選手時代の経験を監督として十分に生かしている。
「毎日プレーするのは大変だ。心身ともに疲弊する。体力面はもちろんだが、精神的に疲れている時にプレーしても効果はない。各選手の休養日は前もって決めているが、調子が悪い選手、気持ちが乗っていない選手は臨機応変に休養させることもある。不調が怪我を誘発することもあるからね」
強制的に休養日を設けられることをネガティブに捉える選手もいる。
「自分はチームに必要とされていないんじゃないか」
「疲れていないのになぜ休まないといけないのか」
「昨日、打てなかったから(エラーしたから)休まされるのか」
なぜ、休養が必要なのか?
ベイカー監督はそのような選手とも膝を突き合わせて会話をする。
「なぜ休養が必要なのか」
「プレーオフに進んだ時に戦力として活躍してほしい」
逆に翌日が休養日だった選手がエラーをした場合は、休養日をずらすこともある。
「エラーをしたという理由でベンチに座らせたりしないよ、ときちんと説明するし、もしエラーをした選手がいたら休みの予定でもラインナップに入れることもある。『落馬したら、すぐに馬に乗れ』っていう諺もあるように、感覚や気持ちを早く取り戻してほしいからね」
選手にはフェア(公平)に接する、というのは父親から教わったことでもある。
「経験のある監督はその辺りの匙加減がうまいと思う。ヤンキースのブーン監督、ドジャースのロバーツ監督はよく選手を見ている。経験の差が判断の差に繋がる、と信じている」
9月の投球数と打撃の因果関係は…
2021年:158試合
2022年:157試合
この数字は、大谷の試合出場数を示している。