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なでしこジャパンPRESSBACK NUMBER
「(長谷川)唯の賢さ、技術力がさらに」「(清水)梨紗も本気で超えたいと」藤野あおば19歳も“なでしこベレーザ勢”…W杯で輝いた背景を恩師に聞く
text by
海江田哲朗Tetsuro Kaieda
photograph byVisionhaus/Getty Images
posted2023/08/14 11:03
W杯スウェーデン戦なでしこジャパンのスタメン。ベスト8で大会を去ったが、将来に希望を感じさせる戦いぶりだった
「ヨーロッパの選手のサイズ、速さ、強さに対応しながら、シティの戦術、戦略的なサッカーに出会えたのが一番大きいと思います。フィジカルに勝る相手と対峙してテクニックの出し方を工夫し、そこにポジショニングや間合いを組み合わせ、動きの質を高め続けていく。僕にはそういった変化に見えますね。唯の持つ賢さ、技術力がさらに磨かれた2年半だったのではないでしょうか」
“本気で超えていくため”海外に出た梨紗
長谷川に続き、盟友の清水梨紗もまた2022年8月、ウェストハムに完全移籍。欧州に活躍の舞台を移した。
「海外移籍の思いは、梨紗のなかに徐々に芽生えていったように感じます。海外のチームと対戦して勝てなかったW杯やオリンピックを経験し、本気で超えていくために何が足りないのかを考え、勝つために必要なものをつかみにいったのでしょう。ベレーザでも深い位置に入ってのクロスやシュートを見せていましたが、今回の代表は後ろの3バックが安定していたため、ウイングバックとして前に出ていきやすかった面はあったと思います。身体の大きい選手に対し、どれだけアグレッシブな守備ができるか。攻撃も難しい状況を打開して深くまで侵入し、いかに決定的な仕事をできるか。それらを意識し、試合を重ねるごとに成長している過程にあるのでは」
あおばは自分の形を…さらに宮澤と遠藤のように
成長の加速度では、19歳の新鋭・藤野あおばがピカイチだ。グループステージのコスタリカ戦では、ドリブルからニアをぶち抜くゴールを決めた。
「あおばは自分の形を持っているアタッカー。ボールの持ち方とフェイントのかけ方が特徴的で、タイミングさえ合えば縦にいける。これから切り返しやターン、フェイントの種類が増えてくれば、シュートまでいける確率はさらに上がるはずです」
東京NBの今後、日本の女子サッカーの未来を視野に入れ、永田はこう語る。