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なでしこジャパンPRESSBACK NUMBER
「(長谷川)唯の賢さ、技術力がさらに」「(清水)梨紗も本気で超えたいと」藤野あおば19歳も“なでしこベレーザ勢”…W杯で輝いた背景を恩師に聞く
text by
海江田哲朗Tetsuro Kaieda
photograph byVisionhaus/Getty Images
posted2023/08/14 11:03
W杯スウェーデン戦なでしこジャパンのスタメン。ベスト8で大会を去ったが、将来に希望を感じさせる戦いぶりだった
「育成組織のメニーナから上がってくる選手がいて、宮澤ひなたや遠藤純のように外部から新しいエッセンスを注入してくれる選手がいる。基本的にトップの仕事をする人間は18歳以上のほぼ完成された選手を預かっていて、本当に注目されるべきは彼女たちの育成に携わった指導者ですよ。ベレーザだけがすばらしいというのは正当な評価とは言えないと思います」
長年、女子の育成を主導してきたのは寺谷真弓(現東京Vアカデミーダイレクター)。植木理子や藤野を輩出した日テレ・メニーナ・セリアス(現在はメニーナに統合)を指導していたのは望月隆司(現松本山雅FC U‐15監督)という人物だ。ここに書き記しておきたい。
そこのチャレンジを知っているからこそ、ベレーザの選手に
最後に、なでしこジャパンの攻撃陣は東京NB(出身者含む)が中心となっていることに必然性はあるのか、松田岳夫と永田の両氏に訊いた。
「ここの選手は育成年代からボールを持って攻撃すること、深い位置に入っていくこと、いろいろな形でゴールを取ることをテーマに掲げてやっています。そういった発想を持つ選手が代表に入り、オフェンスで必要とされて残っていくという意味では関係しているかもしれませんね」(永田)
「ゴールを取るには相手をはがさなければならず、そういったプレーを得意とする選手がここには多い。個で抜くのか、パスを使うのか、それ以外の方法もあるのか。得点のイメージを持ち、実際に表現できることが大事です。そこのチャレンジの仕方を知っているからこそ、ベレーザの選手になるのかなと」(松田)
なでしこジャパンはベスト8に終わった蹉跌を胸に、来年夏のパリ五輪に向かう。
その前に、代表の強化には国内リーグの充実が欠かせない。女子サッカーの裾野を広げ、さらに多くのフォロワーを生み出せるかがカギだ。W杯を戦った選手たちはしばしの羽休めを経て、次なる戦いへ。8月26日、2023-24 WEリーグカップが開幕する。
<#1「宮澤ひなた」編からつづく>
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