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なでしこジャパンPRESSBACK NUMBER
なでしこジャパン宮澤ひなた23歳「昨季23戦1得点→W杯で澤穂希と並ぶ5ゴール」恩師が語る“量産の予兆”「それらを感じ取る能力はあった」
posted2023/08/14 11:02
text by
海江田哲朗Tetsuro Kaieda
photograph by
(L)Katelyn Mulcahy - FIFA,(R)Masashi Hara/Getty Images
オーストラリアとニュージーランドで開催されたFIFA女子ワールドカップ2023。なでしこジャパンは準々決勝でスウェーデンに1‐2で敗れ、ベスト8で散った。頂点を極めた2011年のドイツ大会から干支がひと回り。日本の女子サッカーが世界で再び輝きを放ち、新しい息吹を感じさせる大会だった。
今回のなでしこにはベレーザ経験勢が9人もいた
なでしこジャパンの攻撃の主軸を担ったのは、日テレ・東京ヴェルディベレーザ(以下、東京NB)の流れを汲む選手たちである。
今回、東京NBはFW植木理子、MF藤野あおば、GK田中桃子の3名を送り出しているが、そのほか育成組織が輩出したFW田中美南(INAC神戸レオネッサ)、MF長谷川唯(マンチェスター・シティWFC)、DF清水梨紗(ウェストハム・ユナイテッドFCウィメン)、GK山下杏也加(I神戸)、ここでトップのキャリアを歩み始めたMF宮澤ひなた(マイナビ仙台レディース)、MF遠藤純(エンジェル・シティーFC)を合わせると9名に膨れ上がる。
今季、15年ぶりに東京NBの監督に就任した松田岳夫は女子サッカーの指導歴が豊富な人物だ。1992年、育成組織のメニーナから指導者の道に入り(当時14歳の澤穂希がいた)、東京NBで数々のタイトルを獲得。Jリーグの東京ヴェルディ、ガイナーレ鳥取、FC琉球を率いたあと、ASエルフェン埼玉、I神戸、マイナビ仙台レディースなどの監督を務めている。
「昨年、イングランドが優勝した欧州女子選手権を観て、ヨーロッパの国々が著しく伸びているのに驚かされました。おそらく日本のこれまでのやり方では勝てない。変わらなければ対等に勝負していくのは難しいだろうと。今回のW杯で日本がスペインに4‐0で勝つとは想像できませんでしたね」
昨季リーグ20戦1得点の宮澤がなぜW杯で得点量産?
スペイン戦で2得点を決めたのが抜群のスピードを誇る宮澤である。WEリーグの2021-22シーズン、松田が仙台の監督に就任したタイミングで宮澤が東京NBから移籍。以降、およそ2年間指導した。
昨季のWEリーグで宮澤は20試合1得点で、代表では通算23試合4得点。ところが、今大会は5ゴールをマークする大活躍で、ドイツ大会優勝時の澤が打ち立てた日本人最多得点記録に肩を並べる。