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大谷翔平の指揮官・ネビン監督(52歳)とは何者なのか? イチローからも「好きですね」と称賛される気さくなボス「毎日26人全員の選手と話す」
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byAFLO
posted2023/08/12 11:02
エンゼルスで指揮を執るネビン監督と大谷翔平
監督としての信念「毎日26人全員、リハビリの選手とも話す」
そのネビンが目指す監督としての理想像もパドレス在籍時に学んだ。当時の監督であり、今季からはエンゼルスと同地区のライバル球団レンジャーズで指揮を執るブルース・ボーチーだ。9日現在、監督として歴代10位の通算2071勝。シーズン当初から地区首位を走り続けるレンジャーズを率いる68歳の名将だ。
「キャリアを通じて偉大な監督のもとでプレーしたが、その中でも彼はトップにいる。彼から学んだことは“ロースターにいるすべての選手が重要”ということだ。僕は毎日、選手一人一人と触れ合うようにしている。野球のことだけとは限らない。家族のこと、生活のこと、挨拶だけでもいい。ちょっとした会話だけでもいいんだ。毎日26人全員、リハビリの選手とも話すようにしている。
ボーチーはいつもそうしていたんだ。彼にとって僕は控えの選手で、そこからオールスターの選手にもなれた。その間、彼は毎日同じように接してくれた。どんな役割であってもね。そして、彼はいつも正直だった。素直に誠意を持って対応してくれた。だから僕も彼と同じように毎日分け隔てなく、全員と同じように接しているつもりだ。それが、僕が心がけていることだ」
「正しいやり方を続けるしか道はない」
だが勝つことは難しい。昨季途中の監督代行就任以降、9日までにネビンが残した監督としての成績は104勝118敗、勝率.468。監督としての評価を下すのは時期尚早と感じるが、勝利を積み重ねることが彼に与えられた命題であることは間違いない。
「勝つ時も負ける時もある。だがブレないことが大事だと思っている。毎日一貫していればいるほどにいい。試合前に準備をし、正しいやり方で試合に挑み、最善を尽くす。正しいやり方を続けるしか道はないんだ」
エンゼルスの悲願であるポストシーズン進出は依然として厳しい。だが、可能性はまだある。リーダーとして、チームを勝利に導いて欲しい。
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